【福島8R】菜七子 復帰1勝「ホッとした」 37戦目で決めたJRA通算98勝目

[ 2020年4月12日 05:30 ]

福島8R、ファストライフが差し切り勝ち
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 藤田菜七子(22)が11日、福島8Rの7番人気ファストライフ(牝5=青木)で差し切り、落馬負傷からの復帰後初勝利を挙げた。この勝利がJRA通算98勝目。節目の100勝まであと2と迫った。

 福島競馬場で初めて行われた無観客レース。蹄音だけが鳴り響いた8Rを制した菜七子は静かに喜びを語った。「復帰後初勝利はうれしいですね。やっぱりホッとした気持ちの方が大きいかもしれないです」

 芝2600メートルの長丁場。序盤は後方のインでファストライフの体力を温存させる。ラストの3~4角で外を上がって行くと、あっという間に先行勢を射程圏に。最後は内で粘るラヴィアンレーヴをしぶとくかわし、ゴールを駆け抜けた。菜七子にとって2600メートル以上のレースの勝利は初めて。レース後は「前半を力むことなく入れて勝負どころからはハミを取ってくれた。最後はいっぱいになりかけたけど、よく頑張ってくれました」と相棒をねぎらった。

 2月15日の小倉5Rで落馬し、左鎖骨を骨折。後遺症を残さぬよう慎重に復帰時期を見極め、3月20日に実戦に戻っていた。復帰直後は「特にケガをする前と騎乗の感覚の違いはない。怖いと思う気持ちもなかったし、今まで通りに乗れると思う」と心身への影響を否定。8日の交流G3東京スプリント(コパノキッキング=5着)を含め復帰後37戦目。7番人気の伏兵を鮮やかにVへと導き、復活をアピールしてみせた。

 62日ぶりとなったこの勝利でJRA通算98勝。12日も福島で10鞍がスタンバイしており、一気の100勝達成も視野に入ってきた。復調ムードの菜七子から、今日も目が離せない。

 【菜七子復帰勝利まで】
 2月15日 小倉5Rのランサムトラップで落馬。前の馬の後ろ脚と接触し、単独で転倒して左鎖骨を骨折した。すぐに北九州市内の病院に搬送され、入院した。
 2月19日 転院した茨城県内の病院で患部をプレートで固定する手術を行う。その後は懸命なリハビリで復帰を目指した。
 3月14日 美浦トレセンでの調教騎乗を再開。1頭のみの騎乗だったが「ほんのちょっと緊張したけど、大丈夫でした」と笑顔。
 3月20日 中山1R(グレイトサンディー12着)で実戦復帰を果たす。この日が初めて経験する無観客競馬で「やっぱり競馬はファンあってこそだなと改めて感じました」と寂しそうな表情も浮かべていた。

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