【桜花賞】ディオサの勝負強さ!好位主張できる内枠がプラス材料に

[ 2020年4月12日 05:30 ]

池江泰郎「匠の視点」

内枠を生かし桜花賞Vを狙うマルターズディオサ
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 さまざまな話題がある中で、私が個人的に「なるほど」と思わずニヤッと感心するのはディープインパクト産駒の桜花賞5勝。歴代の最多勝種牡馬がディープだそうです。今はもうこの世にいませんが、現役時代を管理した身として、さすがディープ!と称賛したいデータです。無論、今年の出走馬にも産駒は6頭、と質量で圧倒する数字です。

 と、冒頭にそのことを書いておきながら、私の本命はディープ産駒ではなく、ディープの後継種牡馬として頭一つ完全に抜け出したキズナの産駒。そう、マルターズディオサに◎の予想としました。この馬の力量を知るのに格好の物差しがあって、それは同じローテーションを歩んできたレシステンシアのこと。2歳女王を決める阪神JFでは離されながらも食い下がって2着。すると明け3歳になり始動戦のトライアル・チューリップ賞はレシステンシアを差し切ったではありませんか。正直、驚きました。これで1勝1敗。チューリップ賞の内容から一気に株が上がったはずですが、しかし、単勝オッズはなぜかあまり人気がないですね…。苦笑いしそうになりますが、戦歴から見える勝負強さは馬連の軸になれるとの見立て。好位を主張できる内めの枠はプラス材料。そして今日の馬場が天気予報通りなら道悪コンディション。これにもキズナ産駒は不安はなく、むしろ歓迎に映ります。

 ディープ産駒の中で筆頭格に挙げたいのがミヤマザクラ。競走センスと馬体のバランスがとりわけ素晴らしい。もちろん同産駒のサンクテュエール、リアアメリア、マジックキャッスルも争覇圏の存在であることは言うまでもありません。

 順序で後回しになりましたが▲はレシステンシアで◎◯の2頭と遜色ない評価。チューリップ賞の惜敗を踏まえて、この桜花賞は頂点に立った阪神JFの時のようにペースを緩めず逃げる気がします。昔からある格言に“肉を切らせて骨を断つ”というのがあります。自らも消耗するが、追走する相手はさらに消耗する。そんな走りができるのは強みでしょう。馬券は馬連で(5)から(14)(17)(4)(8)(9)(11)(13)、3連複は(5)(14)の2頭軸流しで相手は(4)(8)(9)(11)(13)(17)です。 (本紙評論家)

 ◆池江 泰郎(いけえ・やすお)1941年(昭16)3月1日生まれ、宮崎県都城市出身の78歳。騎手時代は「逃げの池江」の異名を取り、通算3275戦368勝。引退後は調教師になり79年に開業。通算6768戦845勝。ディープインパクト以外にもメジロデュレン、メジロマックイーンなどGI馬を多数出した。11年に調教師を引退。長男・泰寿氏(50)は現役調教師。

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