【フラワーC】藤井アブレイズ 人馬ともに重賞初V!12番人気の伏兵を36歳苦労人が導いた

[ 2020年3月21日 05:30 ]

<第34回フラワーC>レースを制したアブレイズ。鞍上の藤井は笑顔で検量室前に戻る(撮影・郡司 修)
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 「第34回フラワーC」が20日、中山で行われ、12番人気の超伏兵アブレイズがデビュー2戦目で初重賞制覇。フラワーC史上最低人気での勝利となり、海外競馬を渡り歩いた藤井勘一郎(36)は14度目の挑戦でついにJRA重賞を手にした。 レース結果

 藤井は馬上で何度もガッツポーズを繰り返した。果敢に好位2番手を奪い、やり合う後方勢を見事に出し抜いた。01年にオーストラリアのニューサウスウェールズ州で見習騎手免許を取得。以後13カ国で騎乗してきた。昨年、6度目の挑戦でJRA通年免許を取得した苦労人は「この年(36歳)になり、初めて日本の重賞で結果を残せた。本当にうれしい。これが自信につながれば。アブレイズはまだ底を見せていないので、この先も楽しみ」と笑顔で話した。海外での免許取得後、JRA所属となった騎手の重賞勝ちは横山賀一(現競馬学校教官=4勝)に次いで2人目。

 池江師も大喜び。3代母リリオは師が調教助手時代に前田幸治氏に購入してもらった馬。「米国ケンタッキーで見つけたリリオは父(泰郎氏)の厩舎に入ったがオーナーから“調教師になったら、この馬の子や孫を管理するようにならなくちゃ駄目だぞ”と言われていた。これがブラッドスポーツの魅力。今夜は眠れないと思う」と興奮を隠さなかった。

 13年サクラプレジール以来、史上2頭目となるキャリア2戦目での勝利を決めたアブレイズ。今後は桜花賞(4月12日、阪神)→オークス(5月24日、東京)の王道ローテを歩む。2人のホースマンの悲願は成就し、キズナの娘の物語は佳境を迎えていく。

 ◆アブレイズ 父キズナ 母エディン(母の父ジャングルポケット)牝3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・前田幸貴氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズ 戦績2戦2勝 総獲得賞金4150万4000円。

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