【フィリーズR】皇成アヌラー復活へ躍動 加速スムーズの愛馬とともに桜切符必ず

[ 2020年3月12日 05:30 ]

追い切りを行う三浦皇成騎乗のアヌラーダプラ(撮影・西川祐介)
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 桜花賞TR「第54回フィリーズレビュー(15日、阪神、3着まで優先出走権)」の追い切りが11日に東西トレセンで行われ、三浦皇成(30)が騎乗したアヌラーダプラが美浦Wコースで好調をアピール。三浦は落馬負傷中の光となった相棒と、復帰後初の重賞勝利を狙う。

 つらく、苦しいリハビリ期間。三浦を支えたのは周囲のサポートと、自分を待ってくれているお手馬たちの存在だった。「ケガをした後、早いうちに依頼を頂いたんです。それが復帰へのモチベーションになっていた」。デビュー前からその素質にほれ込んだアヌラーダプラ。フィリーズRの追い切り後、三浦は感慨深そうに振り返った。

 Wコースで単走。水分をたっぷり含んだ馬場を気にする様子もなく、スムーズに加速していく。直線で鞍上がせかすそぶりはなし。躍動感たっぷりの脚さばきで、湿ったチップを巻き上げた。「初の輸送、コントロールを考慮しながら軽め。息遣い、体の動きを含めて良かったですね」と三浦。中間の調整は厩舎サイドと密な連携を取って進めてきた。現状のコンディションに文句なしの表情だ。

 デビュー2連勝が三浦の手綱。当時から桜花賞を意識させる器だった。2勝目が今回と同じ1400メートル戦で「1400メートルの流れに対応させず位置を下げた。折り合いも問題なかった」と競馬を覚えさせた。結果的にマイルの前走・フェアリーSは6着に敗れたが、ここで再びの1400メートル戦。三浦は「距離はまた戻るけど、結果を見れば好材料になるのかなと。内容はもちろん大事ですが、ここは結果も求めていきたい」と力強かった。

 ケガの痛みよりも、自身のお手馬が他の騎手に移ることに“痛み”を感じる騎手という職業。乗り替わりが当たり前の時代に、自分を待ってくれる馬がいるということが何よりうれしかった。「多くの関係者の方に“待っているぞ”と言っていただいた。改めて自分は競馬が大好きなんだと思えました」。実際の馬上にはいなくとも、自身を支える馬たちの力強さに気付けた。その感謝を胸に、復帰後重賞初勝利に挑む。

 【三浦復帰までの経過】
 ▼1月5日 中山7Rの最後の直線で、他馬の落馬のあおりを受けて落馬。左橈(とう)骨・尺骨遠位端骨折、左手月状骨骨折、左側胸部打撲の大ケガを負う。
 ▼2月19日 落馬負傷後、初めて美浦トレセンを訪れる。「リハビリが順調で、ケガ前と変わらない状態まで来られた」
 ▼同25日 負傷後、調教に初騎乗。「全く問題なかった。握力も戻ってきている。久々に馬に乗るのでぎごちない感じになるかなと思っていたが、うまく乗れた」
 ▼3月7日 無観客競馬で復帰。3鞍目の中山6Rヴァンドゥメールで復帰後初勝利。「初日から有力馬に乗せていただいて、休んだ期間に頑張ってきたかいがありました。本当はお客さんの前で勝ちたかったけれど、一人でも多くの方がテレビの前で応援してくれていると思って乗っていきたい」

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