今年から改称、弥生賞「ディープインパクト記念」 “初代王者”が似合うのはサトノフラッグ×武豊!!

[ 2020年3月3日 05:30 ]

武豊
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 無観客で開催中の中央競馬は今週、東西でクラシックのトライアルレースを施行。中山のメインは昨年急死したディープインパクトの功績を称えて名称変更した「弥生賞ディープインパクト記念」(8日、3着まで皐月賞優先出走権)。登録馬で唯一のディープ産駒サトノフラッグが父の主戦も務めた武豊と初コンビを組み、V3でクラシックに名乗りを上げる構えだ。 弥生賞

 感染予防のマスクを着用したスタッフや取材陣が出入りする国枝厩舎。その厩舎棟の一角にある事務室には管理馬1頭ごとにつくった大量の調教日誌が保管されている。開業から30年、約700頭分に及ぶB5サイズの管理ノート。手書きで入退厩の日程から調教、飼料の内容、レース分析などが詳細に記録されている。「ディープインパクト産駒も随分やらせてもらっているが、みんな性格が良くて、仕上がり早。勝ち上がり率も高い。トータルで凄いけど、サトノフラッグはこれまでのディープ産駒と比べても遜色ない」。13年弥生賞馬カミノタサハラなどディープ産駒の重賞ウイナー5頭を送り出した厩舎の主は、サトノフラッグの調教日誌をめくりながら口火を切った。

 「カミノタサハラは大柄で跳びも大きくて、東京向きと思わせたが、屈腱炎でダービーを走れずに引退。とてももったいなかった。サトノフラッグはそのタサハラと比べてもいい勝負ですよ。こちらの方が器用だし、弥生賞も勝てるレベルの馬だと思っています」。国枝師に一級のスケールを感じさせたのは2連勝のレースぶりだった。いずれも楽な手応えで後続を3馬身突き放す圧勝。前々走は東京2000メートルの2歳コースレコード、前走はホープフルSの勝ち時計と同じだ。この2戦の手綱を取った英国のマーフィーも「ダービーを目指せる馬です。ベストは2400メートル。距離が延びればさらにいい」と太鼓判を押した。

 17年セレクトセールで1億7820万円(税込み)の高値がついた良血。母はアルゼンチンの女王に輝いたバラダセール。父ディープインパクト×母の父ノットフォーセールの配合は一昨年の2歳女王ダノンファンタジーと同じだ。「初戦は重かったけど、2戦目で反応がガラッと変わったよね。さすが良血馬(笑い)。完成するのは先だろうけど、随分しっかりしてきた。穏やかだし、トータルで点数が高い。柔らかくはないけど、ディープらしいバネがある」と続けた。

 ディープの主戦を務めた武豊の手綱で挑むディープインパクト記念。「ディープ産駒はそれぞれタイプが違うけど、みんな走るのが好き。だから追い込んではいけない」。国枝師の調教日誌にはディープ産駒を大成させる奥義も詰まっている。

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