【凱旋門賞】清山助手“運命”の地、ロンシャンでキセキの逆襲だ!

[ 2019年10月5日 05:30 ]

キセキに騎乗する清山助手(JRA提供)
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 目指すは「ロンシャンの奇跡」だ!世界最高峰のG1「第98回凱旋門賞」(フランス・パリロンシャン競馬場)は、日本時間あす6日23時05分にゲートイン。今年は日本馬3頭が挑戦。とりわけボルテージが上がっているのはキセキの清山宏明助手(51)だ。騎手時代にロンシャンボーイで重賞を勝った“縁”がある同助手は大一番での反撃を信じている。また今年8月のWASJで初来日して“美しすぎる騎手”と注目を集めたミカエル・ミシェル(24)も“チーム・キセキ”のメンバーとしてエールを送った。 凱旋門賞

 この地に立つことは、運命だったのかもしれない。騎手時代の93年、所属する小原厩舎のロンシャンボーイで京阪杯を勝ち、自身初の重賞制覇を果たした清山助手。あれから26年、立場を調教助手に替え、キセキの担当としてパリロンシャン競馬場にやって来た。

 「そういう名前の馬に乗っていたわけだし実際に運良く結果出せれば美談になりますよね」

 前哨戦のフォワ賞では、逃げ失速の3着。現地での評価は急落しているが、キセキを誰よりも知る男は全く悲観していない。「いろいろと課題が見えてきました」と告げてから、反省の弁を述べた。

 「調教に関しては“運動量が多かったのかな…”と思い、今回は攻め馬の時間を短くしています。負けて分かったこともたくさんあるんです。あの状態で勝っていたら“これでいい”と判断して、もっと強いメンバーと戦う本番に向けて、さらに負荷をかけていたかも…。1度使えたことは凄く良かったです」

 人馬ともに初のフランス遠征。8月21日にシャンティイ到着後、二人三脚で過ごしている。「こっちのマクドはパンもポテトも野菜もうまい。それにコーラも味が違う。もう帰りたくないですよ」と冗談を飛ばすが、実際には神経をすり減らす毎日だったことは容易に想像がつく。ライバル馬のレースはあえて見ていない。決して興味がないわけではない。

 「みんな強い。特に本命馬(エネイブル)なんて、“どうやって勝つねん!”って感じじゃないですか。余計なことを考えると不安になるし、それが馬に伝わると良くない。だから見ないようにしてるんです」

 一昨年の菊花賞を制したのを最後に10連敗中。今度こそ、と決意しながら、G1でも惜しいレースが続いた。

 「日本でできなかったことが世界でできたらいいですよね。ここまで“キセキが奇跡を起こす!”って信じながらやってきましたから」

 決戦まで残り1日。ゲートが開く瞬間まで、奇跡を信じて全力を尽くす。

 ◆清山 宏明(きよやま・ひろあき)1968年(昭43)3月13日生まれ、鹿児島県出身の51歳。JRA競馬学校騎手課程の第2期生として、86年に小原伊佐美厩舎所属でデビュー。同期には横山典弘や熊沢重文、松永幹夫師がいる。JRA通算2178戦141勝。重賞は93年京阪杯と高松宮杯のロンシャンボーイ、93年鳴尾記念のルーブルアクト、95年函館3歳Sのプラウドマンの4勝。02年に引退後、領家厩舎と服部厩舎を経て、07年に角居厩舎へ。これまでにウオッカやラキシスの調教を手がけた。

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