【スプリンターズS】スマッシュ、最終追い充実4F52秒3 ゴール前では余力

[ 2019年9月26日 05:30 ]

川田将雅騎手を背に坂路で単走で追い切るダノンスマッシュ
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 スプリンターズSの追い切りで栗東組で目を引いたのは前走・キーンランドC完勝のダノンスマッシュ。充実の4歳秋。父ロードカナロアも4歳秋の12年スプリンターズSでG1初制覇を飾り、短距離王として海外も含めて飛躍した。父の思い出舞台で父子G1制覇を果たし、父同様のスター街道をばく進だ。

 すでに朝は肌寒い栗東。だが、ダノンスマッシュからは熱気が立ち上っているようだった。G1を獲りたい。その気持ちがあふれていた。「札幌の時より馬はだいぶしっかりとしてきました。いい状態で本番に迎えることができると思います」。川田をうならせた坂路での最終追い。最初の1Fは15秒0。そこからグッとスピードが上がり、四肢が激しく躍動した。ラスト2Fは12秒0~12秒0。4Fは52秒3。予定通りの時計でフィニッシュ。ゴール前では余力を感じさせた。

 1週前も52秒5。2週続けて坂路で素晴らしい動き。安田隆師も状態に絶対の自信を持つ。「先週は52秒台でもズブさが出ていた。ジョッキーに感触を確かめてもらったところ“ピリッとして良くなっています”と言ってくれました」

 今夏は予定していた函館スプリントSを薬物騒動に巻き込まれる形で競走除外。嫌なムードが漂ったが、前走のキーンランドCを完勝して、自ら悪い雰囲気を断ち切った。「外枠でコースロスの多いレースだったがまさに横綱相撲。強い競馬をしてくれた」と愛馬を称えた。

 自身が手掛けた父ロードカナロアは12年のスプリンターズSを快勝してG1初制覇。4歳時のことだった。ダノンスマッシュも4歳。父と同じタイミングで頂点を目指す。ちなみに父は同じレースの最終追いで馬なりの1F12秒2。調教過程は似通っている。「父より体は小さいが普段のそぶり、調教の走り、落ち着きなどが似てきた」と指揮官は証言する。そして、こう付け加えた。「川田騎手の師匠として彼には何もできなかった。ダノンスマッシュで(G1を)プレゼントできればと思う」。なかなか言えない愛弟子へのメッセージも披露した。タイミングが全てそろった一戦。圧勝まである。

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2019年9月26日のニュース