キッキング所有Dr.コパ氏語る、菜七子よ逃走ありだぞ!!

[ 2019年8月9日 05:30 ]

コパノキッキングを語るDr・コパ・オーナー、金運を呼ぶオブジェを手に笑顔を見せる(撮影・荻原 浩人)
Photo By スポニチ

 菜七子よ、今度は必ず勝とう!!9日に英国で22歳の誕生日を迎える藤田菜七子とコパノキッキング(セン4=村山)とのコンビで挑む交流G3「クラスターカップ」(12日、盛岡)。同馬のオーナーであるDr.コパこと小林祥晃氏(72)が話題の人物に迫る夏の特別企画「Ask You」でスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、同レースでの戦法、愛馬の現状、年内解散となる人馬コンビ、今後の菜七子の課題など余すことなく語った。

 ――コパノキッキングの前走・東京スプリントを振り返って。
 「とにかく馬場(不良)が悪かったことに尽きるね。スタートで滑るだろうと思っていたら、悪い予感が当たってしまった。加えて、キッキングは敏感な馬だから、(ナイター競馬で)馬場が雨で光るのもよくなかったみたい。でも、4角のあの位置取り(6番手)でよく2着まで来たよね。大したものだと思う」

 ――菜七子も相当悔しそうな表情を浮かべていた。
 「普通は負けないと思ったけど、まだ菜七子さんに重賞を勝つだけの運気、ツキがなかったのかもしれない」

 ――その後は予定していた北海道スプリントC(6月6日、門別)を回避。
 「前走でトモを滑らせていて。クモズレ(前脚と後脚が接触して擦れてしまうこと)がひどくてフレグモーネ(皮下組織に見られる急性の化膿=かのう=性疾患)になってしまった。とても使える状態ではなく、6月が終わる頃にやっと動かせるようになってきた。それくらいあのレースでダメージを負ってしまった」

 ――6月中旬にキッキングに合いに行かれたとか。
 「この目で見ると、やっぱりトモの肉が落ちてて、どうしちゃったんだろう?っていう状態だった。村山明調教師も一緒にいたんだけど“間に合うのかよ、これ”って。その後(7月11日に)、W(ウッドチップ)コースがある函館に入れて調整したんだけど、調教師が“七分ですね”って言うんだよ。七分じゃ勝てないよって思っていたんだけど、ここに来て“85%なら出せそう”という話になってきた。それなら勝ち負けになるかなと」

 ――リベンジの一戦。
 「一つ気になるのは長期休養明けというところ。(レース間隔が)4カ月空くことになる。でも、昨年も4カ月の休み明け(4月7日→8月4日)で勝っているから。あの時は(休養の原因は)放馬して激突(左前肢挫創)でしたね。気性的に走りたがる子だから、メンタル的な部分は気にしていない」

 ――菜七子の運気は。
 「今年は徐々に上がってくる運気だし、実際に上がってきているでしょ?最近は毎週勝っているしね。東京スプリントよりはクラスターCの方が上がっている」

 ――菜七子とキッキングのコンビも3戦目になる。
 「残念ながら勝てていない。僕は藤田菜七子という騎手に重賞を獲らせるためにキッキングとコンビを組ませている。だからクラスターCは必ず勝ってもらいたいね」

 ――本紙(今年4月9日付掲載)での前回インタビュー通り、菜七子とキッキングのコンビは年内までなのか?
 「そう決めている。風水は1年テーマの学問なので。今年は菜七子に重賞を勝たせる年、来年はキッキングのことを優先して考える年にしたい。ダラダラといくのはよくない。それが彼女にとっても、キッキングにとってもいいことだと思っています」

 ――クラスターCでの作戦は?
 「勝つための法則として、脚を余させない。多分、逃げても勝てるんじゃないかと思っている。スタートが良かったら逃げてもいい。最近、馬が逃げることを忘れているからスタートをポンと出ても下がってしまうかもしれないけど、そこで菜七子がうまく柔らかく促したら逃げられると思う。1200メートルなら多少のハイペースでも持つんじゃないかな?大出遅れでもしない限り、国内の1200メートル戦では負けないと思っている」

 ――クラスターC後の展望は。
 「多分、韓国(9月8日、コリアスプリント)はないと思う。クラスターCを勝つと思っているから。韓国は(クラスターCで万が一)勝てなかった場合に、菜七子に重賞を勝たせるというための選択肢なので」

 ――では、やはり米G1ブリーダーズCスプリント(11月2日、サンタアニタパーク)が本線か。
 「武豊さん(騎乗)でマテラスカイ(牡5=森)が行くなら菜七子も心強いと思うんだよ。まさかマテラスカイがいじめには来ないだろうしね(笑い)。マテラスカイが逃げたら、キッキングは後ろでにらみを利かせられるし、両方にとってやりやすいんじゃないかな」

 ――菜七子に厳しいことを言ったりもするのか。
 「オーナーにしてみれば、2桁着順が多すぎるのはよくないと言った。勝ったときがまぐれみたいに思われるから。本当にうまくなっているし、レースぶりも落ち着いてきたから、後はズルい競馬も覚えてもらいたいですね。きれいに外を回す、番手から抜け出すのもいいけど、中団のゴチャゴチャしたところから制する競馬も見たいよね。あとは“もっと勝たなきゃ駄目だ”とも言っている。勝率10%以上(8日現在、5・5%)を目指してほしい。そうすれば(年間)50勝も狙えるし、その中に重賞勝利が1つ2つ入ってきてもおかしくない」

 《デビューから5戦は逃げ、不利から脚質転換》クラスターCではキッキングが逃げる可能性も示唆している小林オーナー。デビューから5戦は逃げたが、昨年10月の藤森Sでは発走直後の不利で後方からの競馬となり、4角13番手から豪快に差し切り勝利。偶然の産物として脚質転換に成功し、以降のレースでは追い込み、差しの競馬を続けている。

 ◆Dr.コパ(どくたー・こぱ、本名小林祥晃=こばやし・さちあき)1947年(昭22)5月5日生まれ、東京都世田谷区出身の72歳。日本大学理工学部建築学科卒。一級建築士、神職、愛知工業大学客員教授。Dr.コパとして風水・家相を用いた開運術の第一人者。01年に馬主資格を取得。本名名義で「コパノ」「ラブミー」などの冠名の競走馬を所有し、代表馬は14、15年のフェブラリーSを連覇するなど史上最多となるJRA&地方交流G1・11勝を挙げたコパノリッキー。今月8日に銀座8丁目に「カラオケバー立木」をオープン。

続きを表示

この記事のフォト

2019年8月9日のニュース