【函館記念】カッチー重賞50勝!マイスタイル初タイトルで故郷に錦

[ 2019年7月15日 05:30 ]

函館記念を制した田中勝騎乗のマイスタイル(左)、右は2着のマイネルファンロン(撮影・千葉茂)
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 祝重賞50勝!!祝函館重賞初V!!夏の函館競馬を彩る名物ハンデ重賞「第55回函館記念」が14日、函館競馬場で行われた。マイペースで逃げた1番人気マイスタイルが最後はマイネルファンロンを差し返し、待望の重賞初制覇。函館記念の1番人気の連敗を「12」で止めた。スポニチ本紙コラム「田中勝春この1頭」でもおなじみの北海道出身の田中勝春(48)はJRA重賞通算50勝、函館重賞初優勝のメモリアル勝利を飾った。 レース結果

 1番人気は勝てない!?北海道三石町(現新ひだか町)で生まれ育った田中勝が“円熟逃げ”でそんなジンクスをぶっ飛ばした。好スタートで飛び出し、馬名の通りの「マイスタイル」を貫いた。故郷の心地良い風を背に受け、逃げまくる。直線入り口で函館出身の丹内マイネルファンロンが一度は前に出たが、残り100メートルで内から差し返す!!首を前にグイッと出してゴール。前半5F59秒8~後半5Fも59秒8。見事なまでの精密ラップを刻んで重賞初Vだ。

 いつものカッチースマイルがはじけた。「持ち味を生かせた。スタートが速い馬。絡んでくる馬も見当たらないし、行こうと思っていた。何とかこの馬で重賞を勝ちたいと思っていた」

 マイスタイルを生産した猪野毛牧場は、同じく競走馬を生産する父・田中春美さんの実家の隣にあった。カッチーは子供の頃を懐かしそうに回想した。

 「俺がガキの頃、チャリンコ(自転車)で5分。川を越えてすぐ隣。ご飯も食べたし、よく遊んだ。牧草あげも手伝ったよ」

 カッチーの思いをくんで昆師も函館記念を獲るためだけに執心した。前哨戦・巴賞(9着)は全く気にしない。師は「巴賞を勝っていたらハンデは1キロ重くなるだろうし、格好は悪かったが、あれで良かったと思う。一度使って体はスッキリしたし、1コーナーで勝てると思った。ペースも良かった」とベテランの好プレーを称えた。

 15年福島牝馬S(スイートサルサ)以来の重賞Vとなったカッチーは、区切りのJRA重賞50勝目。同じ北海道の札幌では02年札幌2歳S(サクラプレジデント)を勝っているが、函館では待望の重賞初勝利だ。

 「函館で勝てたのは率直にうれしいね。重賞50勝?うん、俺はこれまで中途半端だったからね。良かったよ」と喜びに浸った。

 マイスタイルは5歳夏で重賞初V。指揮官は今後について「札幌記念?中山のスピード勝負(3月ダービー卿CT3着)でいい競馬をしたので、距離を縮めて大きいところを…と思っているんだ」とG1マイルCS(11月17日、京都)も視野に入れている。「差し返す根性も見せたし、気持ちも強くなっている。体つきは幼いから、まだ成長すると思う」とカッチー。どこに進路を取ろうと、函館での夏土産がマイスタイルの進撃の大きな財産になる。 

 ◆マイスタイル 父ハーツクライ 母ファーストナイナー(母の父フォーティナイナー)牡5歳 栗東・昆厩舎所属 馬主・寺田千代乃氏 北海道新ひだか町の猪野毛牧場 戦績21戦5勝 総獲得賞金2億25万6000円。

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