【エプソムC】レイエンダ重賞初制覇、超良血ついに覚醒

[ 2019年6月10日 05:30 ]

<エプソムC>レースを制したレイエンダ。鞍上のルメールはゴール後、ガッツポーズ(撮影・郡司 修)
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 ついに良血が目覚めた。9日に東京競馬場で行われた「第36回エプソムC」は、5番人気の4歳馬レイエンダがC・ルメール(40)を背に2番手から鋭く抜け出し、重賞初制覇。ダービー馬レイデオロの全弟が覚醒の予感だ。また、阪神の「第24回マーメイドS」も4歳のサラスが重賞初勝利。7番人気ながらメンバー最速の剛脚で差し切った。

 血は雨よりも濃かった。雨中のゴール後、ルメールはレイエンダの馬上でG3とは思えないガッツポーズを繰り返す。「レース前は軟らかい馬場を心配していました。それでも大丈夫でしたね」。良血開花の予感。不安だった緩い馬場も克服した走りに、名手は興奮を隠しきれなかった。

 これまでにない好スタートから2番手を確保した。「チークピーシーズを着けたら全然違う馬だった。いいスタートでいいポジションを取れた」とルメール。超スローで逃げるサラキアの直後で折り合う。楽な手応えのまま直線を迎えると、レース前に降りだした雨も関係ない。やや重ながらメンバー最速タイとなる3F32秒7の脚を繰り出してサラキアをかわし、後続は問題にしなかった。「冷静に走ってくれたから最後は速い脚を使えた」と鞍上。藤沢和師は「スタートが良かったね。(チークは)ここ何戦か行き脚も良くなかったから使いました」と勝因の一つを挙げた。

 17年のダービー馬レイデオロを兄に持つ超良血。同じ藤沢和厩舎に預けられ、デビューV直後にはルメールが「お兄さんより上かもしれない」と絶賛するほどの素質を秘めていた。しかし、直後に両脚の骨折を発症。クラシックへの出走は実現せず、近3走は掲示板にも載れなかった。それだけに陣営の喜びもひとしお。「やっぱり能力のある馬ですね」とルメールも感慨深げだった。

 今後は夏休みに入り、秋の毎日王冠(10月6日、東京)で始動予定。ルメールは「(G1でも)絶対にいけると思っている」と確信めいた口調で語る。来週の宝塚記念(23日、阪神)でルメールが騎乗するレイデオロと、秋には対戦する可能性も出てきた。見えてきた兄の後ろ姿。この天才兄弟が令和元年の競馬を熱くする。

 ◆レイエンダ 父キングカメハメハ 母ラドラーダ(母の父シンボリクリスエス)牡4歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績8戦4勝 総獲得賞金9626万円。

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