【NHKマイルC】マーズ90点 必要な筋肉付き力み消えた

[ 2019年5月1日 05:30 ]

必要な筋肉が付き力みも消えたアドマイヤマーズ
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 アドマイヤマーズの馬体を車体になぞらえれば、マツダの「ユーノス ロードスター」。令和にも残したい平成の名車です。運動性能を高める要件以外は全て削(そ)ぎ落とし、走りに徹した軽量スポーツカー。栗毛に包まれたマーズの馬体にも無駄が一切ない。余分なものを削いだ、研ぎ澄まされたボディーライン。それでいて、必要な筋肉は十分に付いています。余裕と遊びを否定したつくりですが、性能はかなり高い。グランアレグリアが段違いのスケールなら、こちらは段違いのクオリティーです。

 前走時の馬体診断では「皐月賞がマイル戦なら一番手に評価」と言及しました。マイラーを思わせる胴が詰まり気味の体形。追われた時にしっかり使って走れる張りのある首差し。皐月賞は距離の壁に泣きましたが、今度はベストディスタンスです。グランアレグリア同様、2400メートルの2冠目(オークス、ダービー)ではなくNHKマイルCに矛先を向けたのは正解でしょう。

 鋭い目で力み返っていた皐月賞時よりもリラックスした立ち姿です。当時は「昨年の朝日杯FS(優勝)時のように少し陰部を出すぐらいの余裕が欲しい」と書きましたが、私の記事を読める馬なのか、今回は陰部を少し出しながら写真に納まりました。ハミの取り方もちょうどいい。目や耳の立て方には相変わらず力が入っていますが、前走時に比べればマシです。栗毛は黄金色に輝いている。最高の体調です。

 国産車のビンテージイヤーといえば平成元年。「ユーノス ロードスター」など日本製の名車が続々と誕生しました。令和元年もニューモデルが続出するはずですが、栗色の研ぎ澄まされたロードスターも見劣りしません。

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2019年5月1日のニュース