仏では女性が開催リーディング首位獲得

[ 2019年2月26日 05:30 ]

 海外の主要国ではパリ地区の競馬を統括するフランスギャロが女性騎手の減量制度をすでに導入している。フランスは競馬学校の入学者も約60%が女性で、女性調教師も220人いる。その一方で、ジョッキーに関してはトップクラスの活躍は男性に限られているのが実情。減量特典は約100人いる女性騎手の騎乗機会拡大、生活の安定を目的に設立された。

 重賞、準重賞を除くレースを対象として平地・障害で女性騎手2キロ減の制度が始まったのは17年3月1日。以来、女性騎手の騎乗は目に見えて増えた。同時に、見習騎手としての減量特典が加わると最大で4〜5キロ減となるケースもあり、それは少し寛容すぎるという意見も出た。そこで18年3月に制度を改定。現在は平地では1・5キロ減(障害は2キロ減で据え置き)、4〜5キロ減だった女性見習騎手への最大の減量特典は4キロ減に下げられてレースが行われている。

 18年の仏リーディングでは50位以内に7人の女性騎手がランクイン。12位に入ったデビュー5年目のミカエル・ミシェル(23)は1〜2月のカーニュ・シュル・メール競馬場の開催リーディングを獲得するなど話題となり、年間72勝を挙げて、フランス競馬の年間女性騎手最多勝記録を更新した。16年の仏リーディングには50位以内に女性騎手は1人もいなかった。

 減量特典のない準重賞、重賞では女性騎手の騎乗機会はまだほとんどないのが現実だが、ミシェルは「頑張ってさらに腕を上げて歴史を変えたい」と意気込む。女性騎手の活躍は競馬場が華やぎ、みんなが笑顔になる。米国のクローンや英国のターナーのような真のスターの登場が期待されている。(フランス在住競馬記者・沢田 康文)

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2019年2月26日のニュース