【NHKマイルC】やや急仕上げも条件そろったグァンチャーレ

[ 2015年5月8日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=7日】NHKマイルCに出走する関西馬10頭で、岡崎が最も取捨に悩んでいるのがグァンチャーレだ。右前脚の挫石で皐月賞を回避。一時は春全休とも噂されたが、驚異の回復力で3歳マイル王決定戦に駒を進めてきた。とはいえ、さすがに急仕上げ感は漂う。開門から1時間たった午前7時、双眼鏡を手に調教をチェックしていた北出師は、近寄ってきた岡崎を制すると、早口でまくし立てた。

 「おまえ、腹が出過ぎとちゃうか。70キロ?そのままやと糖尿なるぞ。俺なんか最近はうどんを半玉にして、健康維持に努めてるんやからな」

 言い切ってスッキリしたのか、指揮官は足早に立ち去ろうとしたが、岡崎が気になるのは自身の健康状態ではなく、グァンチャーレの状態だ。そうはさせじと行く手を遮ると、北出師はようやく本題について口を開いた。

 「皐月賞ウイークは木曜から日曜まで4日間、舎飼いにしていたからね。さすがに春全休もチラついたけど、立ち上げていくと意外に反動がなくて、思いのほか良くなってきたんだ。さすがに完調とは言い切れない。でも動きを見る限りは問題ない。これなら使えるという出来にあるよ」

 父スクリーンヒーローはジャパンCの勝ち馬だが、代表産駒のモーリスは典型的なマイラー。やや寸が詰まり気味で繋(つなぎ)が立っているグァンチャーレも、中距離よりはマイル向きの印象が強い。

 「ユタカ(武豊)は以前、この馬に東京マイルは最高の条件ですよ、と言っていた。走る条件はそろっているよ」

 そう口にすると指揮官は「これから牧場に行くから、マジで時間がない。もうええやろ」とニヤリと笑って、去っていった。その後ろ姿は、岡崎にはどこか自信ありげに映った。

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2015年5月8日のニュース