【東京新聞杯】シャイニープリンス 豪華“イスラ併せ”

[ 2015年2月5日 05:30 ]

イスラボニータ(左)と併せて追い切るシャイニープリンス

 美浦では東京新聞杯に出走するシャイニープリンスが、軽快な動きで待望の重賞初制覇へ前進した。

 「ああいう馬と一緒に走ればシンボリルドルフはさらに強くなる…」。84年ジャパンCで英国馬ベッドタイムに頭差敗れた直後、主戦・岡部幸雄(元騎手)が口にした名言は、30年余の時を経てもそのまま通用する。

 Wコースを舞台にしたシャイニープリンスの最終追い切り。金文字のG1ゼッケンを誇らしげに翻しながら、同厩のイスラボニータが内から馬体を並び掛ける。抜かせまいと懸命に抵抗するプリンス。ラスト1F、ピタリと併走したままゴールを駆け抜けた。

 栗田博師は「イスラボニータの方は遊びながら走っていたが、プリンスも随分いい体つきになった」と満足そうに語る。「強い馬の胸を借りて稽古していくうちに成長する?最近の競馬を見ていると、そういう面があるかもしれない」と続けた。イスラの稽古役を務めて足かけ2年になる。昨秋以降は3戦連続、最終追い切りで一緒に併せた。前々走の富士Sでは首差2着。稽古がレース結果に直結するほど競馬は単純ではないが、重賞で接戦を演じる陰にはG1馬相手の稽古がある。

 「勝てそうで勝てないレースが続いている。もう惜敗はいらない」と必勝を期す栗田博師。昨年3月の東風S(1着)以来2度目の騎乗となる後藤にはこんな注文を付けた。「結果を恐れず好きなように思い切って乗ってくれ」。小回り中山の東風Sで、大胆にも最後方から末脚を余すところなく引き出した手腕に懸けた。

 手綱を託された後藤も1週前追い切りで感触をつかんでいる。「道中気分良く走れれば凄い脚を使える。回転の速いフットワークを東京の長い直線でどこまで持続できるかが勝負」と語った。最後方強襲策の再現か!?“強い馬と一緒に走ることでさらに強くなる”。G1ホースと併せてきた成果を示す時だ。

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2015年2月5日のニュース