【マイルCS】シャーク悲願のG1初制覇!岩田魅せた満点騎乗

[ 2014年11月24日 05:30 ]

<マイルCS>ゴール前、フィエロ(右)と競り合うダノンシャーク

 勝負師・岩田が満点騎乗!「第31回マイルCS」が23日に秋晴れの京都競馬場で行われ、8番人気のダノンシャークが最内を差してG1初制覇を飾った。5センチ差の2着にはフィエロが入り、ディープインパクト産駒のワンツー決着。1番人気の3歳馬ミッキーアイルは先手を奪えず、13着に敗れた。なお、この日のWIN5はキャリーオーバーとなった。

 わずか5センチ差――。8番人気のダノンシャークが「タメを利かした競馬」で悲願の戴冠だ。直線で先に抜け出したフィエロの内から迫り、首の上げ下げの激しい叩き合いを鼻差制した。上がりはトーセンラーに並ぶ3F34秒1の最速タイ。近走の好位失速続きから一変、魔法に掛かったかのような鬼脚がよみがえった。

 悲願は岩田の華麗な手綱さばきがなければ成し得なかった。「先生から前に壁をつくるように指示された。フィエロが前にいたので、道をつくってくれるだろうと。いい目標になって直線も追いだしを待つことができた。1頭分あるかないかのところだったが、馬自身が最後まで頑張ってくれました」と振り返った。

 鋭いひと脚をどこで使うかがポイントだった。道中は後方で静かにして、前に壁をつくって折り合いに専念。前半3F過ぎでフィエロの後ろに忍び寄る。淀の鬼門である3角過ぎの下り坂をなだめながら加速すると、あとは名手の“勝ちパターン”だ。

 大久保龍師は「スカッとした。負けパターンがはっきりしていたので、前に行かないでくれと話した。岩田君ならこう乗ってくれるだろう、と夢で見た通りの競馬だった。満点!さすがですね」と鞍上の手綱さばきを称賛した。

 昨年のこのレースは1番人気に支持されたが、直線で伸び切れず3着。今年の安田記念もゴール前で甘くなって4着に終わった。もうひと押し。陣営はこのレースに向けて瞬発力にこだわった。「以前は後ろからの馬だったが、今は好位の馬になっている。今回は末脚を生かす競馬がしたい」と師。6歳を迎え、今が充実期。最高のパフォーマンスを引き出すために、先入観のないジョッキーを据えて勝負に出た。

 師は「昔のシャークに戻し、勝つならこの競馬しかないと思っていた。G1馬になったので、これからは恥ずかしい競馬はできない。小さい馬(レース出走時444キロ)だし疲れもあると思うので、今後は馬の状態を見て決めたい」としたり顔。香港マイル(12月14日、シャティン)は登録済みだが、次走については慎重な姿勢を見せた。

 ◆ダノンシャーク 父ディープインパクト 母カーラパワー(母の父カーリアン)牡6歳 栗東・大久保龍厩舎所属 馬主・(株)ダノックス 生産者・北海道日高町下河辺牧場 戦績29戦7勝 総獲得賞金4億3367万4000円。

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2014年11月24日のニュース