【AJC杯】サダムパテック マイル王者が4F延長に新境地

[ 2014年1月22日 05:30 ]

距離延長のサダムパテック、馬券的にも妙味は十分

 800メートルの距離延長でG1馬がよみがえる。中山メーン、アメリカジョッキークラブCに12年のマイルCSの覇者サダムパテックがスタンバイ。流れに乗れず、レースをやめてしまう悪癖を、2200メートルのゆったりした流れで断ち切るのが狙いだ。

【AJC杯】

 メンバー中、ただ1頭のG1馬サダムパテックが格上であることは誰もが分かっている。知りたいのは、ただ1点。マイルCS勝ち馬が2200メートルでどう走るかだ。西園師は意図をこう語った。「近頃はレース後、すぐに息が入る。全力で走り切っていないというか、短距離の速い流れに乗り切れていない」

 解説を加えよう。近走、ゲートの出がひと息の同馬。以前にもあった癖がまた戻った感じだ。そして、好位に付けられないと、もう駄目かなと判断して馬が自分からレースをやめてしまう。近4走で最もいいスタートを切ったスワンSは3着。いいスタートを切って、流れに乗らなければ、気持ちが持続しない馬になってしまった。

 そこで800メートルの距離延長。序盤の流れは短距離戦よりはるかにゆったり。これならゲートで後手を踏んでも好位に取り付ける。そうすればレースを早々と諦めることはない。集中力が最後まで持つという読みだ。

 2200メートルは長いという意識を陣営は一切、持っていない。「もともと距離をこなせる馬。3歳時は皐月賞2着、菊花賞でも5着。ここで新たな一面を出したいんだ」(西園師)。確かに中、長距離をこなすイメージはある。跳びは柔らかく、バネもあって道中での体力の消耗がいかにも少なそう。乗り手に従順で折り合いもスムーズにつく。

 あらためて2000メートル以上の成績を確認すると、全て重賞舞台で【1・1・1・3】。11年弥生賞(中山芝2000メートル)の強さは特筆もので、ショウナンマイティ(4着)、ウインバリアシオン(7着)を問題にしなかった。

 「能力なら負けていないからね」と、あらためて言い切った西園師。ここが、後への布石であるとか、様子見であるという雰囲気は一切ない。一気の距離延長できっちり勝ちにいく。指揮官の表情には、そう書いてあった。

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2014年1月22日のニュース