【エ女王杯】ヴィルシーナ完璧!Vパターンのふんわり仕上げ

[ 2013年11月7日 06:00 ]

ヴィルシーナ(左)は岩田を背に併走馬にキッチリと追走先着

 秋の牝馬頂上決戦「第38回エリザベス女王杯」(10日、京都)の最終追いが6日、美浦、栗東トレセンで行われた。栗東ではG1・2勝目を狙うヴィルシーナが必勝パターンの坂路&馬なりの柔らか仕上げ。騎乗した岩田、友道師ともに出来に太鼓判。ヴィクトリアマイルVに続き、最強4歳代表の底力を見せつけそうだ。

【エ女王杯】

 これがヴィルシーナのVパターン。最後は坂路で静に徹した。2馬身前を行く外アグン(4歳500万)を目標にゆったりペースアップ。体を寄せず、馬場中央をリズミカルに駆け上がり、首差先着。手綱を抑えたままで4F54秒8~1F12秒6。軽快な脚さばきが順調の証しだ。騎乗した岩田は「先週結構やったので今週は流す程度。いい追い切りができた」と笑顔を見せた。

 1週前追いで使ったCWコースではなく、最終追いは坂路でサラッと仕上げるのが流儀。2着の昨秋女王杯もG1初制覇を飾った今春ヴィクトリアマイルも同じ。態勢が整っているから、強い負荷は必要ない。友道師も「秋はエリザベス女王杯だけを目標にやってきた。1週前にしっかりやったので反応の確認だけ。動きは良かった」と胸を張った。

 悲願G1制覇を飾った春を踏襲し、レース選択も錬った。春は強豪牡馬が集結した大阪杯(6着)にぶつけ、本番ヴィクトリアマイルはきっちりV。秋初戦も一流牡馬が集まった京都大賞典(8着)を選択。指揮官は「早めに動いてくる馬もいて厳しい展開になったが、よく踏ん張っている。悲観していない」と冷静に受け止めている。

 むしろ、得た収穫の方が大きい。16キロ増と実の入った体。本番と1Fしか違わない京都外回りも体験できた。何より、牝馬同士の本番は相手も軽い。師は「2400メートルを使ったことで普段の調教でも折り合いがつく。今夏大きくなったのは感じていたし、プラス体重は成長分」と目を細める。

 同期の女傑ジェンティルドンナはジャパンCへ。そのライバルだったヴィルシーナの手綱を今秋任された岩田の思いも熱い。「(一緒の対戦で)ずっと見てきた馬なので強いのは分かっている。瞬発力があるし、長い脚が使える馬。どういうレースになろうが対応できる」と信頼を寄せる。

 指揮官は「3歳の強い馬も出てくるが、今の4歳世代は強い。何とかもう1つ獲りたい」と力を込めた。出来も戦略も完璧。死闘を繰り広げたジェンティルがいない以上、G1・2勝目は至上命題だ。

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2013年11月7日のニュース