【皐月賞】エピファネイア逆襲だ!封印していた闘争心全開

[ 2013年4月11日 06:00 ]

福永を鞍上に3頭併せの最後方から追い切られたエピファネイア(右)

 西の超良血馬が反撃へ万全の態勢を整えた。牡馬クラシック第1弾「第73回皐月賞」の追い切りが10日、美浦、栗東両トレセンで行われた。05年オークス馬シーザリオの子エピファネイアが本番を想定した3頭併せで力強く最先着。史上6組目の母子クラシック制覇を視界に捉えた。手綱を取る福永祐一騎手(36)も、自身初の牡馬クラシックVへ手応え十分だ。同レースは11日、出走馬と枠順が確定する。

【皐月賞】

 封印していた闘争心を解き放つ。エピファネイアは明確なテーマを持って、最終追い切りに臨んだ。福永が騎乗し栗東CWコースへ。エックスマーク(4歳1600万)が先導し、続くエアハリファ(4歳オープン)の後ろ。序盤は3頭縦列の最後方から進めた。課題の折り合いもスムーズ。これまで積み上げてきた、馬の後ろで我慢させる調整パターンだ。

 迎えた直線入り口。いつもなら前2頭に追いつくと最内に併せていたが、この日は違った。エックスが外、ハリファが内へと開き、真ん中に1頭分のスペースを空けて併走状態に。福永は2頭の間にエピファをねじ込む。両側からプレッシャーを受けても、ひるむどころか、前へ前と首を突き出す。外エックスが後退し、残り200メートルから内ハリファとの“一騎打ち”。食い下がるオープン馬を、最後は首差競り落としてゴールした。

 「これまでは脚をためて我慢させる練習ばかりしてきたが、きょうは馬に競馬が近いと思わせるために、気持ちを乗せるための調教をした」と角居師は最終追いの意図を説明した。レース後半の爆発的な推進力を生む激しい気性は、序盤で折り合いを欠くもろ刃の剣。4着に敗れた前走・弥生賞は負の側面を露呈した一戦だった。だが、日々の我慢の調教が実りつつある。「きれいに折り合っていたし、馬の間を割ってくる時もコントロールが利いていた。折り合いに成長を感じる」。指揮官は胸を張った。

 母シーザリオは角居師&福永のコンビで05年に日米オークスを制した名牝。師は母と息子を「シーザリオはキビキビした走りで切れる感じ。エピファは大きなストライドで長くいい脚を使うタイプ」と比較した上で「勝ち気な性格は一緒」と評する。思いの詰まった馬で挑む、母子クラシック制覇の夢。「いい状態で出走できる。折り合いさえつけば、いい競馬になる」。勝負手を尽くした指揮官の表情には、充実感が漂っていた。

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