【皐月賞】ロゴタイプ、72秒0も陣営余裕「目立つ時計いらない」

[ 2013年4月11日 06:00 ]

軽快なフットワークを披露したロゴタイプ

 スプリングSを制した昨年の2歳王者ロゴタイプは馬なりのまま軽快な動きで万全の臨戦態勢を整えた。

 遅い。だが、これでいい。2歳王者ロゴタイプはあくまで自分流で大一番に臨む。追い切りはWコースで単走。首をグッと下げたフォームでスムーズな走りだが、ピッチはなかなか上がらない。直線も仕掛けられることなく馬なりでフィニッシュした。

 時計は5F72秒0~1F13秒6。G1に臨む馬の追い切りとしては極めて地味な数字だ。予備知識がなければ「大丈夫?」と思ってしまいそうだが、これがロゴタイプのやり方。田中剛師は「先週しまい重点でやったので、今週は折り合いをつけて、しまい流す程度。うまくいったと思う」と満足げな笑みを浮かべた。

 暮れの朝日杯FSを制し、始動戦のスプリングSも快勝。両レースも最終追い切りはWコースでそれぞれ5F68秒7、68秒8と目立つ時計ではなかった。師は「今日は大外を回ったし、内を回っていれば70秒か60秒台が出たでしょう」といつも通りを強調する。

 騎乗した窪田助手も「時計で言えばデビュー前に函館で出したのが最高かな。出そうと思えばいくらでも出るけど、目立つ時計はいらないから」とサラリ。師が「レースがいい調教代わりになっている」と言うように、調教で強い負荷をかける必要はないタイプ。皐月賞だからといって気負うことなく、結果が出ている調整法を貫いた。実際、毛ヅヤはさえ、気配も良好。状態面に不安はない。

 鞍上はM・デムーロ。ネオユニヴァース、ダイワメジャーで皐月賞2勝の名手も賛辞の言葉を並べる。「クレバーでスタートも上手。好位から進められるし、レースを分かっている。それにハートも強い」。スプリングSで代打を務めた弟のC・デムーロから当時の感触も聞いている。「クリスチャンは皐月賞も自分が乗りたいと言っていたけど、悪いけど今回は俺が乗る」。弟に負けた桜花賞の借りはきっちり返すと言わんばかり。どうやら王者に死角はなさそうだ。

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