【高松宮記念】サクラゴスペル“一族の夢”乗せて2F22秒9

[ 2013年3月21日 06:00 ]

サクラゴスペル(左)は先行させた(右から)マイネルサンオペラ、コスモシャンハイを一気に抜き去る

 3連勝中、サクラゴスペルの追い切りは目下の充実ぶりを十分にアピールする内容だった。坂路で先行2頭を楽々とかわしてフィニッシュ。モニターにタイムが表示されると報道陣から驚嘆の声が上がった。

 「速い!」「2F22秒台はめったに見ないぞ」。4F50秒5も優秀だが、特筆すべきはラスト2Fの22秒9。強めに追われ、11秒5、11秒4と鋭くラップを刻んだ。2Fの数字はあまり強調されることがないが、22秒台をマークしたのは今年の美浦で2頭目。尾関師は「動き、時計とも十分に納得がいく」と状態面に太鼓判を押した。

 高松宮記念は2年連続の出走。重賞初挑戦だった昨年は9着に敗れたが、当時とは馬が違う。「以前は切れ味があるイメージだったが、そこに先行力やパワフルさが足され、長所が増えた感じ」。師は成長に目を細めた。

 尾関厩舎は先週のフラワーCをサクラプレジールでV。アネモネS3着のサクラディソールを含め「サクラ&尾関&横山典」が今春は存在感を示している。ミスターシービーやシンボリルドルフで競馬に目覚めた師にとって、多くの活躍馬がいた「サクラ」の冠名にはファン時代から思い入れがある。開業前に訪れた新和牧場で全尚烈(ジョン・サンヨリ)オーナーに出会った縁で「サクラ」の馬を預かる師は「以前から競馬を支えてきたオーナーの馬をやらせてもらえるのは凄くうれしい」と張り切る。

 「サクラ」の馬がG1を勝ったのは96年有馬記念のサクラローレルが最後。17年ぶりのG1制覇がかかる大一番で、手綱を取るのがローレルの横山典というのもドラマを予感させる。当の横山典は「任された仕事をするだけ」といつものスタイルを崩さないが、こうも言った。「かなわない相手じゃない」。ロードカナロア相手にこう言える陣営は、そうはない。

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2013年3月21日のニュース