【シルクロードS】ドリームバレンチノ 激戦制した!いざ桶狭間

[ 2013年1月28日 06:00 ]

最後の直線で激しく競り合う(左から)ドリームバレンチノ、メイショウデイム、マジンプロスパー、ダッシャーゴーゴー

 27日の京都競馬場「シルクロードS」は2番人気ドリームバレンチノがインで立ち回り、鼻差でVを決めた。

【レース結果】

 最後は息が詰まるような追い比べだった。外から先頭に立ったダッシャーゴーゴー。インの3頭目から素早くエンジンを噴かしたドリームバレンチノ。最後はバレンチノが鼻差だけグッと前に出て、激戦にケリをつけた。

 接戦らしく、肩で息をしながら引き揚げた松山は開口一番、加用師に「すみません」。直線半ば、他馬をかわすのに冷や汗をかいたためだ。「勝負どころで窮屈になり、一瞬焦ったが、前が空いてからはしっかり伸びてくれた」。逃げてバテたアイラブリリとケイアイアストンが壁になったが、メイショウデイムに影響を与えない程度に外へと動き、前2頭をかわして加速。ギリギリの場面だったが、ここで迷ったら勝利はなかった。松山の的確な判断がVを呼んだ。

 もちろん、加用師も、そのあたりは分かっている。若武者の勝負への執念を称えた。「松山は落ち着いていた。詰まろうがどうなろうが、結果として勝ったんだから、それでいいんだ」。騎手の謝罪を一笑に付した。

 松山はバレンチノとのコンビで9勝目、重賞2勝目。現役屈指の名コンビだが、11年ラピスラズリSで不利を受け4着に敗れた後、2戦を他の騎手へと乗り代わった。福島民友Cで鞍上へと戻ると、そこから3連勝。加用師は、こう振り返った。「試練もあったんだ。ジョッキーも、いろいろ考えながら、ひと鞍ずつ成長していくんだろう」

 ルーキーだった09年から共に歩んだ松山とバレンチノ。経験を積み、互いに成長しながら、昨年のスプリンターズS3着。そして、重要な一戦を制して主役級の1頭としてG1に臨むところまで来た。「間隔が空くのでG1前に1走挟む可能性もある」と師は今後を展望したが、大目標は高松宮記念(3月24日、中京)だ。いざ、桶狭間へ。若武者と快速馬が頂点を目指す。

 ◆ドリームバレンチノ 父ロージズインメイ 母コスモヴァレンチ(母の父マイネルラヴ)牡6歳 栗東・加用厩舎所属 馬主・セゾンレースホース 生産者・北海道新冠町ビッグレッドファーム 戦績26戦9勝 総獲得賞金2億4971万2000円。

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