【朝日杯FS】コディーノ2歳王者に王手 反応&瞬発力全て完璧

[ 2012年12月13日 06:00 ]

ホーカーテンペスト(奥)と併せて追い切ったコディーノは、盤石のリハーサル

 4戦無敗の2歳チャンプへ、東西両雄が万全の臨戦態勢を整えた。「朝日杯FS」の追い切りが12日行われ、美浦トレセンではコディーノが抜群の加速力で古馬を圧倒。横山典弘騎手(44)は手応えの良さを隠そうとしなかった。栗東ではエーシントップが圧巻の1番時計をマーク。2歳戦線の頂点に立つのは切れ味のコディーノか、スピードのトップか。

【朝日杯FS】

 鞍上の横山典が手綱を緩めた瞬間だ。コディーノは獲物を追うヒョウのように、鋭くストライドを伸ばした。Wコースで5馬身先行したバンスタンウォルツ(4歳500万)、3馬身先行のホーカーテンペスト(3歳1000万)の内から造作もなく半馬身先着。反応の速さ、瞬発力、息遣い。全てが完璧だった。

 「いいガス抜きができた」。満足そうな表情で引き揚げてくる同騎手。「運動神経が抜群で、動きが物凄く速い。攻め馬の乗り味が全然違う。不安材料?ここまで順調に来ているし、心配なことは何ひとつない」と続けた。

 デビューから3戦3勝。一戦ごとに驚異的な数字を並べてきた。新馬戦は札幌1800メートルの2歳戦で歴代最速の上がり(ラスト3F33秒7)で圧勝。札幌2歳Sはレースレコード(1分48秒5)で完勝。前走・東京スポーツ杯2歳Sでは2歳戦のJRAレコード(1分46秒0)で楽勝。同騎手は馬群から一瞬にして抜け出す加速力を「瞬間移動」と表現した。「この血統の馬たちは、ひと通り見てきたが、別の馬と思ってもらっていい。(血統にとらわれず)コディーノ自身を見てやってほしい。どこまで奥があるか分からない馬だから」と言う。

 血統の枠を超えたスーパーホース。「何て軽い動きをする馬なんだ」。追い切り直前、常歩(なみあし)で馬場に向かう姿を見て、同馬の母ハッピーパスの主戦を務めた岡部幸雄元騎手が驚きの声を上げた。母も素軽い身のこなしで重賞(03年京都牝馬S)を勝ったが、産駒は次元の違う敏しょうさを持っていた。

 「久々に関東から出た大物。初めて経験する中山でテンションが上がる?馬は若いけど、騎手がベテランなので心配ない」。横山典は確信に満ちた口調で締めくくった。

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2012年12月13日のニュース