【エ女王杯】ヴィルシーナ 最強牝馬不在、今度こそ頂点へ

[ 2012年11月8日 06:00 ]

微調整程度の馬なりで坂路を駆け上がるヴィルシーナ

 「第37回エリザベス女王杯」(11日、京都)の追い切りが7日、美浦、栗東トレセンで行われた。栗東では3歳ヴィルシーナが坂路を馬なりで駆け上がっての調整。派手なアクションはなかったが陣営は万全の仕上がりと判断、牝馬3冠ロードで2着3回の悔しさを晴らす舞台装置は整ったようだ。

【エリザベス女王杯】

 静の姿勢を貫いた。ヴィルシーナは坂路単走で4F54秒5~12秒7。大きなアクションはなく、感触を確かめた程度。騎乗した竹之下(実戦は内田)はG1直前追いで毎回、手綱をとっている。

 「きょうはあまり負荷をかけずサラッと。乗った感じは前走と変わりない。いい状態をキープしている。使ってきて敏感にはなっているけど、テンションが上がった感じはない」と感触を語った。

 友道師は最終追いを「最後の微調整」と表現した。

 「先週のCWコース3頭併せで気合が乗ってきた。精神的、体力的にも強い負荷は必要ない。秋華賞以上の出来だと思います」

 前走が激戦だっただけに出来落ちを不安視する声もある。だが「秋は3戦と思ってローテを組んできた」とピシャリ。

 牝馬3冠全て2着は史上初の出来事だった。ここは宿敵ジェンティルドンナが不在だ。あの馬がいなければ…の思いは「正直、ありますけどね」と友道師。崩れなく走れる強みの根源は、オンとオフの切り替えにあると言う。

 「普段からおとなしくてムダなことをしない。競馬でだけ100%の力を発揮してくれる」

 ちょっとした工夫もある。オークスではパドックでジョッキーがまたがった瞬間からイレ込んだ。そこで今秋から馬場入り直前に乗せる形へ変更。繊細な牝馬の気持ちをうまくコントロールして、好成績へとつなげている。

 友道師は「多分1番人気になると思う」と気を引き締めた。そしてこうひと言。

 「G1用の調教ゼッケン(五十音順に決定)も2なんだよね。もう2はいい」

 冗談めかした口調の中に確かな本音が見えた。悲願のG1タイトル奪取へ、陣営の寸分の狂いのない仕上げが施された。

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2012年11月8日のニュース