【秋華賞】もうモタつかない！ダイワズーム変身

＜秋華賞＞ラントゥザリード（左）と併せ追い切るダイワズーム

　【Ｇ１ドキュメント＝１０日】午前６時の馬場開門と同時に、赤い特殊ゼッケンを着けた秋華賞組が一斉に躍動する。木曜追いのオメガハートランドを除く関東勢５頭の最終リハーサル。梅崎の双眼鏡はダイワズームの走りにくぎ付けになった。

　柔らかい身のこなし。蹄の先まで覇気のこもったストライド。坂路で２馬身先行したラントゥザリード（４歳５００万）と余力たっぷりに併入に持ち込んだ。ラスト１Ｆは１２秒２の瞬発力。３日の１週前追い切りでもＷコースで馬なりのまま古馬をあおっていたが、さらに迫力が増している。追われてモタついた休み明けのトライアル紫苑Ｓ（７着）とは雲泥の差だ。

　「やっぱり１度使うと変わるよね。シャキッとしてきた」と鹿戸雄師から満足そうな笑みがこぼれる。「前走は力負けとは言えないからね。外枠が不利な中山開幕週の馬場。ノリちゃん（横山典）と“外枠だけは嫌だな”と話していたら１６番枠だもの。あー、駄目だと思ったよ。休み明けのせいで前半モタモタしていたし、ノリちゃんも無理しなかったからね」

　インの馬場状態が絶好のコースで大外を回るしかないハンデ。振り返ればオークスでも不利があった。「直線で前が詰まって外に出さざるを得なかったからね」と同師。それでも６着まで差を詰めたのは能力の証だろう。

　今春、未勝利戦からスイートピーＳまで３連勝した素質馬。トライアルで持てる力を隠したまま、気配を一変させる魅惑のダークホースだ。