【凱旋門賞】歴史変える!池江師「僕もオルフェもうずうず」

[ 2012年10月7日 06:00 ]

最終調整を無事に終え、納得の表情でインタビューに答える池江師

 世界制覇へ、準備は整った。「第91回凱旋門賞」(7日、フランス・ロンシャン、発走午後4時25分、日本時間同日午後11時25分、賞金総額400万ユーロ=約4億円、優勝賞金228万5600ユーロ=約2億2800万円、18頭立て)に出走するオルフェーヴル(牡4=池江)が6日、滞在中のシャンティイで最終調整を終えた。「今年最高の出来」と池江泰寿師(43)は自信を持って送り出す。日本の5冠馬が世界最強馬となる瞬間は目前だ。

 日に日に高まる期待。だがオルフェーヴルは、どこ吹く風とばかりに冷静さを保っている。この日も坂路コースを2本駆け上がり、無事に最終調整を終えた。「今年一番の出来。僕もオルフェもレースが待ち遠しくて、うずうずしている」。池江師の表情が晴れやかだ。やることは全てやった。一点の曇りもない。真っすぐ前を見据えた目が、そう語っている。

 「凱旋門賞とは世界一を決めるレース。日本の競馬界ではそう思われている。自分も、そう信じてきた」

 昨年のダービーを勝ったことで、凱旋門賞挑戦は夢から現実へとシフトした。「不良馬場をこなし、馬体をぶつけられてもひるまなかった。この馬ならやってくれる」。96年、初めて凱旋門賞を生で見た。エリシオの逃げ切りに胸が躍ったのと同時に、火花散るような馬群でのぶつかり合いが印象に残った。本場では凄まじい根性を秘めた馬しか通用しない。いつか、調教師となった時、自分の管理馬からそんな馬が出てきたら…。ついに現れた、火の玉のような闘争心を持つ馬。それがオルフェだった。

 打てる手は全て打った。心を鬼にして、鞍上をスミヨンへとスイッチ。凱旋門賞2勝(03年ダラカニ、08年ザルカヴァ)の手腕に託した。「世界のホースマンに日本の競馬産業のレベルの高さを示したい。そのためには勝たなければいけない」。善戦では意味がない。勝つために来た。

 デビュー以来、初めて経験する中2週のタイトなローテーション。それでも攻め続けた。「最終追いは今までで一番強い調教をした。オルフェはしっかり応えてくれた」(同師)。パリは雨が降り続き、きょうのロンシャンは日本でいう不良馬場の見通し。望むところだ。ダービーV時と同じ条件。闘争心を燃やすにはちょうどいい。

 さあ行こう、オルフェ。43年も挑戦し続けた日本のホースマン全員の思いを乗せ、ロンシャンのターフで暴れてこい。

 ◆テレビ中継 凱旋門賞のテレビ中継はフジテレビ系「Mr.サンデー」(7日午後10時~11時45分)内、グリーンチャンネル(午後11時~8日午前0時=有料)、CSフジテレビONE「みんなのフランスKEIBA 凱旋門賞」(午後11時~8日午前0時=有料)で、それぞれ衛星生中継。

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