【弥生賞】軽快アダムス 父ディープと同じ無敗街道へ

[ 2012年3月1日 06:00 ]

<弥生賞>坂路でジェンティルドンナ(下)と併せるアダムスピーク

 今週は牡牝クラシックのトライアルが行われるが、その追い切りが29日、美浦、栗東両トレセンで行われた。それぞれ主役は2戦2勝のディープインパクト産駒。皐月賞トライアル「第49回弥生賞」のアダムスピークはこの日初騎乗の内田も乗り味を絶賛。底知れないスケールの走りで好調ぶりをアピールした。

 見た目だけでは分からない。アダムスピークは坂路併せ馬。4F56秒5~1F13秒5でジェンティルドンナ(チューリップ賞出走)と併入した。悪い馬場状態もあって時計、反応共に目立つものではない。だが、新コンビの鞍上・内田は確かな素質を感じ取っていた。

 「凄くおとなしくて乗りやすい。背中が凄く柔らかいですね。馬場が悪かったけど、そう思わせない軽い走りだった」

 前夜の雪を早朝の雨が溶かし、馬場コンディションは最悪とも言えるもの。それでも、のめるそぶりすら見せなかった。なぜか。ジョッキーはこう解説した。

 「背中の可動域が凄くて、収縮して伸びる感じ。重心がしっかりとしているから、こんな馬場でも脚を取られることがない」

 強じんなバネ、卓越したバランスは馬場状態を問わない。かなり負荷が掛かったはずだが「息遣いは全然荒くなかった。凄いスタミナ」と続けて絶賛した。これまでのレースぶりもチェック済みの名手は「競馬センスがホントいい。不安材料のない馬」とズバリ。2戦2勝というキャリアの浅さには似つかわしくない手応えを得たようだった。これが素質だ。

 もちろん成長の跡も見られる。昨年のラジオNIKKEI杯2歳S後は放牧でしっかり充電してきた。調教後、石坂師は「普段のイメージよりたくましい体に感じた」と評した。初めてとなる輸送競馬にもドンと構えている。「凄くおとなしく、指示を理解するまでが早い。輸送に関しても、気性的に危ないとは思っていない」。父ディープと同じく3戦無敗でクラシックへ。出来過ぎたシナリオも、決して夢物語ではなさそうだ。

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2012年3月1日のニュース