【チューリップ賞】ジョワ豪快！！姉の足跡追いかけて

＜チューリップ賞＞コースを力強く駆け抜けたジョワドヴィーヴル（右端）

　今週は牡牝クラシックのトライアルが行われるが、その追い切りが２９日、美浦、栗東両トレセンで行われた。それぞれ主役は２戦２勝のディープインパクト産駒。桜花賞トライアル「第１９回チューリップ賞」は２歳女王ジョワドヴィーヴルが登場。ＣＷコースでかつてない躍動感を披露して成長ぶりを見せつけた。

　年を重ねてたくましさを増した２歳女王は、泥んこ馬場もへっちゃらだ。チューリップ賞の主役・ジョワドヴィーヴルがたっぷりと水分を含んだウッドチップコースを力強く駆け抜けた。期待以上の成長を感じ取ったのだろう、久しぶりに感触を確かめた福永は思わず笑みを浮かべた。

　「最後１Ｆだけビッシリとの指示。のめりそうなフォームなんだけど、のめらなかったし、息遣いも良かったよ。跳びも大きくなって伸びが出ているし、体を使えるようになっている」

　先週と同じ僚馬トリップ（弥生賞出走）との併せ馬は、６Ｆで約３馬身後ろからのスタート。終始馬なりで進めて、直線は内へ。ラスト１Ｆから追われると瞬時に加速して、１馬身まで差を詰めたところがフィニッシュラインだった。遅れはしたものの「相手が動き過ぎたからね」と松田博師は平然としたもの。それもそのはず、６Ｆ８８秒３～１Ｆ１２秒６の時計こそ馬場が悪過ぎたため参考にならないが、その躍動感あるフットワークは好調をアピールするに十分過ぎるものだった。

　馬体の成長も目を見張るものがある。以前は４２０キロ前後の軽量馬らしく、全体に肉付きが乏しかったが、今回はトモ（後肢）の厚みがグンと増した印象。指揮官も「脱皮した」としゃれた言い回しで成長を認め、こう続けた。「休んで帰ってきたらそりゃ大きくなるさ。トモが大きくなったし張りも出てきたな。２戦目であれだけ変わってくれたけど、またどれだけ変わってくれるか楽しみたな」

　その口ぶりに一切の不安はない。ここをステップにクラシック路線へ。姉ブエナビスタの足跡を追いながら、１歩ずつ名牝への階段を駆け上がっていく。