【NHKマイルC】ジャッカル“偉業”へ「自然体」

[ 2011年5月4日 06:00 ]

エーシンジャッカルで史上最速タイ開業69日目でのG1制覇を狙う高野師

 エーシンジャッカルを管理する高野師は、今年3月に開業したばかり。もちろん今回がG1初挑戦。勝てば開業69日目でのG1初制覇で、これは森師が持つ最短記録(93年ジャパンC、レガシーワールド)に並ぶ偉業となる。しかし大一番を前にしても、指揮官の柔和な表情から気負いは一切感じられない。

 「G1は厳しいですからね。自分はこの馬の力を出せるようにするだけです。自然体で行きたいですね」

 落ち着き十分と言えば、愛馬のエーシンジャッカルも同じだ。しかし、こちらは“落ち着いてきた”と言うべき。指揮官が振り返る。「初めてこの馬を目にしたのは、(昨夏の)新馬を使う前。その時はうるさい馬だと思いましたけど(高野厩舎の前にジャッカルを管理した)野元厩舎の解散前に、乗せてもらうと随分おとなしくなっていたんです。厩舎と牧場でうまく調整していただけたんだと思います」

 驚かされたのは気性面だけでなかった。2歳時は芝6Fで新馬勝ちしながら距離が延びて苦戦続き。「成績を見てスプリンターかと思った。アフリートの肌にフジキセキだから、ダートを使おうと思ったぐらい」。ところが転厩初戦、芝7Fの500万戦で厩舎に初勝利をプレゼント。さらに1F延びた前走・ニュージーランドTでも、馬群を割って鋭く伸び、0秒2差の2着に食い込んだのだからその成長力に舌を巻く。

 「これだけ幅が薄くて走る馬は初めてです。(高野師が所属していた)マツクニ厩舎はパワータイプが多かったですから。それにしても、ああいう競馬は教えてできるものじゃない。競馬では意のままに動けるし、頼りがいのある馬です」

 高野師は淡々と、しかし確かな手応えを伝えてくる。若さあふれるトレーナーに、伸び盛りの馬という魅力的なコンビ。“2人”にとって、ここが飛躍の場となりそうだ。

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2011年5月4日のニュース