【フェブラリーS】ブルコン越えへ!クリムズン抜群52秒0

[ 2011年2月17日 06:00 ]

開場直後の坂路で追い切るセイクリムズン

 週初めの雪の影響が残った坂路は開門直後から軒並み、時計を要していた。「こんなにグチャグチャの馬場は久しぶり」と漏らす関係者がいるくらい、水分をたっぷり含んだ重い馬場コンディション。そんな条件でもセイクリムズンは集中力を切らさなかった。

 手綱をとった佐合助手が「馬場が重くてテンから走りづらそうだった」と振り返るように出だしこそ、ややとまどいがあったものの微調整しながら徐々にペースを上げていく。エンジンが掛かってからは馬場の影響を感じさせない、なめらかな動き。最後の2Fを12秒2、12秒6でまとめて、4Fが52秒0。この悪路でもしっかり脚力をアピールしてきた。見届けた服部師が納得の表情で切り出す。

 「先週はスイッチを入れる感じでしまいを伸ばして、けさは小細工をせずに通常通りに追い切った。馬場は悪かったけど気持ち良さそうに走っていたね」

 秘める素質が完全に開花した。昨年は春に栗東S、秋に霜月S、カペラSとオープンで3勝。今年初戦の根岸S快勝で年をまたいでの連勝記録を「3」に延ばし、最高の形で弾みをつけた。充実度は文句なし。服部師は昨夏の放牧が今につながったと強調している。「去年の夏場の休養を挟んで成長したね。あれで馬ができた感じ。マイルは以前失速している距離だから壁があるとか言われるけど、精神的に強くなっている。正直、何も心配していないよ」。その言葉に応えるように手綱を託される幸も「前走もそうだったけど、左回りだと最後の伸びがいい。マイルでも大丈夫」と自信を見せた。

 服部厩舎とこのレースと言えば、ブルーコンコルドが07、08年と続けて2着。交流G1・7勝の偉大な先輩でさえ成し得なかったJRA・G1制覇を狙っていく。「デビュー前からかなりのモノを感じていたし、それを引き出してあげたい」と服部師。その視線ははっきりと頂点を捉えている。

続きを表示

2011年2月17日のニュース