【JC】ブエナ計算通り12秒1!スミヨン楽勝宣言!

[ 2010年11月25日 06:00 ]

<JC・追い切り>朝日を全身に浴びて、燃えるような紅葉をバックにCWコースで追い切られるブエナビスタ

 世界制圧へ、ブエナ万全。28日に東京競馬場で行われる競馬の祭典「第30回ジャパンカップ」の追い切りが24日に行われ、栗東トレセンでは天皇賞・秋を制したブエナビスタが凄みのある動きを披露。コンビを組むフランスの名手クリストフ・スミヨン騎手(29)からは“楽勝宣言”も飛び出し、6度目のG1制覇へ態勢は整った。同レースは、25日に枠順が確定する。

【ジャパンC
追い切り
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 制御の利いた走りの中に、一瞬見せた猛女の顔。日本を代表する女傑のポテンシャルを、十分に誇示した、ブエナビスタの最終追い切りだった。「大きなレースでも、いつもと変わらぬ調教をするだけ」。松田博師のポリシー通り、定番のCWコース単走追い。前半はセーブして、ゆったりと向正面を流す。コーナーを迎えても手綱は抑えられたまま。だが、直線に入り、ゴールまで残り200メートルの地点で一変する。鞍上が右手に持っていたステッキを、大きなアクションで引き抜いた瞬間、馬体を沈ませ首をグッと前に突き出して加速した。ステッキが体に触れたわけではなく、後方の視界に入っただけ。それでも瞬時に反応し、あとはスピードの余韻を楽しむかのように、余裕たっぷりに駆け抜けた。
 「順調やな。落ち着いてイレ込みもなく回ってきたし、思った通りの調教ができた」。松田博師も満足そうな笑みを浮かべて愛馬を出迎えた。6F83秒9、ラスト1F12秒1のフィニッシュは、豪快に追った天皇賞の最終追い(83秒3~11秒8)に比べると物足りなく映るが、これは陣営の計算通り。「前回は休み明けでいっぱいにやったけど、今回は2走目。天皇賞も楽に勝ってくれたし、今回はすべてに余裕を持って臨める」。トレーナーの表情には一点の曇りもない。
 宝塚記念で敗れたナカヤマフェスタに、ダービー馬エイシンフラッシュを筆頭にした3歳勢、さらには海外の強豪も挑んでくる。天皇賞以上にぶ厚いメンバーだが、気負いは全くない。「G1だから強い馬がそろうのは当たり前。相手を気にしても仕方がない。東京は全部勝っている(3戦全勝)わけだし、この馬の持ち味を生かせる」と、あくまで胸を貸す立場だ。初騎乗の天皇賞で呼吸の合った騎乗を見せたフランスの名手・スミヨンにも、松田博師は絶大な信頼を寄せる。「研究熱心なジョッキー。何も指示はしないし、任せておけば安心」
 最後にトレーナーは力強く「年度代表馬を狙っていますから」と言い切った。優勝なら目標に限りなく近づくが、それだけではない。天皇賞・秋→JC→有馬記念。牝馬初の“グランドスラム”を狙う女傑にとって、ここは単なる通過点かもしれない。

 ≪連続1番人気記録更新か≫ブエナビスタは08年10月26日のデビュー戦(3着)から前走の天皇賞・秋まで14戦連続1番人気を継続中(海外を除く)。今回も1番人気なら、テイエムオペラオーが持つ連続1番人気記録(15回=00年京都記念~01年有馬記念)に並ぶ。また、ジャパンCは00年から昨年まで、10年連続で日本馬が1番人気となり、すべて3着以内に入り馬券に絡んでいる。

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2010年11月25日のニュース