【笹川賞】最年少・岡崎SG初V!新スター誕生

[ 2010年5月31日 06:00 ]

水に落とされる手荒い祝福にも笑顔で応える優勝した岡崎

 新スター誕生!浜名湖で熱戦が繰り広げられたSG「第37回笹川賞」(優勝賞金4000万円)は30日、12Rで優勝戦が行われ、今大会最年少の岡崎恭裕(23=福岡)が豪快なまくり差しを決め、SG6回目の参戦で初制覇を飾った。全国スター候補として注目を集めてきた逸材レーサーが、いよいよ艇界のトップに立ってスター街道を突き進んでいく。

 岡崎の狙い澄ましたまくり差しが鮮やかに決まった。バック水面でイン先マイの池田を内からとらえると、2マークは沈着冷静なターンでクリアし栄光のゴールへ突き進んだ。
 「山口さんがピット離れで新田君を抑えてくれて5コースが取れたのが勝因です。5コースからのまくり差し、実は最も得意なんですよ」と岡崎はレースを振り返った。3月の総理杯でSG初優出。その総理杯優勝戦は超抜エンジンで1号艇という大チャンスだったが、山口にインを取られての悔しい2着。今度はその山口が勝利の手引きをしてくれたと言うのだから勝負事は分からない。
 昨年から「全国スター候補生」として注目されて来たが、結果は出なかった。しかし、2月に結婚してからは流れが変わった。今大会も準優3着で1度はあきらめたが、白井の待機行動違反で繰り上がっての優勝戦だった。こんな運を味方にし、SGを獲るまでは引きずるだろうと覚悟していた総理杯の失敗もあっさり帳消しにしてしまった。
 競艇選手になったのは「何となく…。努力も嫌い」と言い放つ23歳。しかし「総理杯の帰りのタクシーで泣いちゃったんです。奥さんに“負けちゃった”って電話したら“次に頑張ればいいんだよ”って言われて…」と漏らした。2歳上の舞夫人の優しい言葉で、自らのふがいなさへ悔し涙が込み上げてきたと言う。
 「スター候補の“候補”は取っちゃってもいいですよね。賞金王も見えてきたし家族のためにも頑張らないと」と締めくくった。ちょうど暮れの賞金王の頃に舞夫人は出産予定…。すべての流れが岡崎の前途を明るく照らしている。

 ◆岡崎恭裕(おかざき・やすひろ)1987年(昭62)1月10日生まれの23歳。04年3月登録の94期で福岡県在住の福岡支部。同期は今井貴士、古賀繁輝、稲田浩二ら。初優勝は05年2月の戸田一般戦で通算優出34回、14V。1メートル72、51キロ。血液型O。

 ◇優勝戦VTR ピット離れで波乱が起きた。新田がドカ遅れ。123・564となった。強めの向かい風の中でインの池田はコンマ07のスタート。1Mでツケマイに出た今村も寄せ付けず先マイへ。だが、岡崎が狭いスキ間を割って伸びる。バックで池田に追いつき、2M先取り。池田の差しを振り切って決着をつけた。

 ▼池田浩二(2着)ペラを換えて行き足は良くなってました。1マークも自分のターンができました。相手がうまかったです。
 ▼今村 豊(3着)スタートは少し放ってしまいましたね。足は変わらず良かったけど、優勝戦メンバーはみんな一緒。優勝できなかったけど納得のレースでした。
 ▼菊地孝平(4着)悔しいですね。出足が良くなっていたけど伸びは今村さんの方が良かった。ペラはいい方に向かっているし良かったと思ってます。
 ▼山口 剛(5着)岡崎君にいいターンをされましたね。完敗です。足は問題なかったですよ。スタートも行く気だったし全速でした。力は出せました。
 ▼新田雄史(6着)ピット離れがすべてです。ペラを戻したけど足はいい状態だったと思います。(初のSG優勝戦出走も)悔いだけが残りますね。

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2010年5月31日のニュース