【ダービー】前は空いたが…ヴィクトワール届かず

[ 2010年5月31日 06:00 ]

3着に終わったヴィクトワールピサと岩田騎手

 2冠への道は遠かった。単勝2・1倍の1番人気に推されたヴィクトワールピサは無念の3着。道中は中団のインで脚を温存。残り300メートル、前が空いた瞬間、12万観衆の多くが皐月賞の再現…と思ったはずだ。

 だが、爆発的な鬼脚は影を潜めたまま。ジワジワと懸命に脚を伸ばしたが、前2頭の背中は近いようで遠かった。史上22頭目の皐月賞&ダービー2冠は果たせず終戦。悲願のダービー制覇が消えた岩田は、肩を落として言葉を選んだ。「ペースが遅くて、力みながら走っていた。道中はベストポジションだったと思う。直線では前が空いたけど、思ったほどはじけなかった。力んだ分なのか…。これがダービーの難しさかな」
 07年ウオッカに続くダービー制覇は果たせなかったが、皐月賞馬の威厳は示した。角居師は冷静な口調で切り出した。「道中、それなりに我慢する部分は我慢できていた。皐月賞の時は一瞬の切れる脚を使ったけど、長く切れる脚があれば。トレーニングですね。もう少し、変わり身が必要かもしれない」と指揮官は次なる機会を見据えた。5着ルーラーシップともども「夏は放牧になると思う。路線はオーナーと相談ですね」。菊花賞か古馬王道路線か。挑戦は続く。

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2010年5月31日のニュース