【ダービー】ステップレースから検証

[ 2010年5月30日 06:00 ]

 【皐月賞】1角手前でバーディバーディが先頭を奪う。1F12秒台のラップを刻み、5F通過は60秒1。当日の8Rまで重発表という馬場では速い部類。直線は後方から4角で8番手まで押し上げていたヴィクトワールが、最内に切れ込んで抜け出し1馬身半差の完勝。2着争いは3頭。ローズキングダム、エイシンフラッシュの叩き合いに、外からヒルノダムールが併せる形で3頭並んでゴール。ヴィクトワールが直線で見せた瞬発力はもちろんだが、鞍上の意のままに動く操縦性が光った。2~4着馬は直線の短い中山で脚を余した印象。

 【青葉賞】ダービーと同じ舞台で行われたトライアル。ミッションモードが5F通過60秒0と淀みのない流れをつくる。2番枠のペルーサは、中団の内ラチ沿いで折り合いに専念。4角で外に持ち出すと、直線で3F33秒8の末脚を爆発させ、最後は手綱を抑える余裕を見せながら4馬身差の圧勝だった。勝ちタイム2分24秒3は青葉賞歴代2位。07年ダービーのウオッカの優勝タイム(2分24秒5)を上回る。2着トゥザグローリーは勝ち馬には離され、3着ハートビートソングの猛追を何とかしのいだ形。現時点では能力差を感じる。
 【プリンシパルS】2頭が先行し、後の集団は大きく離れる展開。中団につけたルーラーシップは、3角手前で3番手まで進出し、馬場の中央に進路を取って直線に向くと、内の馬を1頭ずつ競り落とすように、残り200メートルで先頭。そこからは後続を離す一方で、4馬身差の楽勝だった。良血らしいセンスの良さが光ったが、出走18頭すべてが重賞未勝利とレベルには疑問符。若駒Sでヒルノダムール、毎日杯でダノンシャンティ、リルダヴァルに先着を許しており、東京2400メートルという力比べの舞台で、どこまで差を詰められるか。
 【京都新聞杯】5F59秒9と、外回りの2200メートル戦にしては速めの流れ。3番手を確保したコスモファントムが直線入り口で先頭に立たったが、これを射程圏に入れていたゲシュタルトがかわして優勝。2着争いは外からレーヴドリアン、メイショウウズシオの2頭が猛然と追い込んだが、コスモファントムが鼻+首差で粘り切った。ゲシュタルトは相手なりに走るタイプで、今回も要注意。2着馬は昨年末のラジオNIKKEI杯2歳S(2着)以来の実戦だったことを考慮すれば上々の粘り腰。ヒモ穴狙いならこのレースの上位4頭が不気味だ。
 【NHKマイルC】外枠から強引にハナを奪ったのがエーシンダックマン。2F目から10秒4―10秒9の速いラップで飛ばし、サンライズプリンスなど3頭が2馬身圏内で追いかけた。5F通過56秒3は、近年まれに見る超ハイペース。ダノンシャンティは4角でも後方16番手の位置取り。大外にあえて進路を取ると、3F33秒5の爆発力で突き抜けた。勝ちタイム1分31秒4は芝マイル戦の日本レコード。中団から早めに仕掛けて3着を死守したのがリルダヴァル。激流が奏功した印象で、800メートルの距離延長で折り合い面の課題をどう克服するかが鍵。

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2010年5月30日のニュース