“バラ色の人生”よ、もう一度!/七夕賞

[ 2008年7月11日 06:00 ]

坂路で僚馬・アイアンキング(奥1)と併せ馬で追いきるヴィータローザ

 栗東では重賞3勝馬ヴィータローザが七夕賞の木曜追いで半馬身先着。まずまずの脚色を見せた。

 夏の足音とともに“気まぐれなベテラン”が激走の下地を整えた。4カ月ぶりの実戦となるヴィータローザ。最終追い切りは坂路でアイアンキング(5歳1000万)と併せ馬。4F54秒2~1F12秒9でいっぱいに追われ、僚馬に半馬身先着した。
 決して派手な動きではない。かといって仕上がりが悪いわけでもない。稽古を付けた鎌田助手は納得の表情で感触を伝えた。
 「もうちょっと伸びてほしい気はしたけど、稽古で動くタイプじゃないからね。気を抜かずに走っていたし8歳でも元気。太め感なく仕上がっているよ」
 今年に入ってからの2戦は京都記念13着→大阪城S15着。だが、結果を気にし過ぎる必要はない。「もともと得体の知れないタイプ。調教が駄目でもレースでは結果を出したり、ホント走ってみないと分からない。それがいい方に出れば」と鎌田助手は続けた。以前はG3でもハンデ58キロを背負っていた重賞3勝馬が今回はハンデ56キロ。福島との相性も悪くない。「休み明けは関係ない。むしろ久々の方がいいくらいだよ」と橋口師もニヤリだ。
 8歳の夏を迎えたヴィータに以前の勢い、迫力を求めるのはさすがに酷な話かもしれない。とはいえ気温がグングン上昇していくこの季節は好走している。今年も橋口師はサマー2000シリーズへの参戦を早くから予定していた。過去2年のシリーズは計4戦して2着(06年小倉記念)→3着(新潟記念)、4着(07年七夕賞)→5着(小倉記念)。確かに掲示板は一度も外していない。勝つことはできなくてもシリーズV戦線上位には名を連ねていたのだ。
 「もうトシやから大きな期待はできない。でも…一昨年も昨年もこの時期は頑張っていたもんな」。意外性が売りでもある馬だけに、指揮官の締めくくりの言葉に一発の可能性が漂っている。

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2008年7月11日のニュース