最恐カップル「アルコとエイジ」/七夕賞

[ 2008年7月11日 06:00 ]

馬場入り前から元気いっぱいのアルコセニョーラ(135番)

 混戦必至の福島ハンデ重賞「第44回七夕賞」で昨年の福島記念以来、2度目のタイトルを狙うアルコセニョーラ。今年好調の鞍上・中舘英二騎手(42)はどんな作戦で臨むのか…。「キーマンの懐へ」では、ローカル男の胸の内に迫った。

 ――追い込む形が多いアルコセニョーラですが、スタート自体はポンと出る。前走(福島テレビオープン4着)もそうでした。
 中舘 スタートはむしろ速い方で、行かせればハナへ行ける脚はあります。ただ、条件馬の頃と違い、差す形がすっかり板についているし、行かせると手応えほど伸びないので、いまさら先行させる気はありません。
 ――スタート直後には尾を振り、向正面では掛かってしまいました。
 そうでした。ただ、カッちゃん(田中勝騎手)が乗った前々走(ヴィクトリアマイル18着)はマイルのG1なのに折り合いを欠いた。それに比べれば前走(1800メートル)はマシでした。調子が悪い時に折り合いを欠く傾向がありますが、徐々に掛からなくなってきています。
 ――レース前の手応えとしてはどうだったのですか?
 ゴツゴツした感じもなかったし、返し馬も悪くなかった。そこそこ走れるかなとは思いました。
 ――落ち着いているかどうかも課題になる馬かと思いますが。
 そうですね。ここのところ少しイライラする感じが見られました。それで掛かってしまったのだと思いますが、昨年の福島記念を勝った時は凄くおとなしかった。そういう意味で、前走あたりはおとなしい感じが戻ってきていました。
 ――昨年の福島記念を勝った時はグラスボンバー、タマモサポート、サンバレンティンといった福島で重賞を勝っている馬のほかにも重賞ウイナーが目白押しの好メンバーでした。
 馬場状態にも助けられたけど、あれだけのメンバーを相手に抜け出す時の脚は速かった。力があるのは確か。
 ――ゴール前は小脚を使って上手に抜け出した。ああいう器用さはこの馬の武器?
 直線では前が詰まりそうになったのでコントロールしたら上手にかわしながら上がってくれましたね。確かにああいう脚を使えるのは大きな武器です。
 ――今回、最終週の馬場状態というのも好材料。
 そうでしょうね。ある程度悪い馬場の方がいいタイプ。今の馬場は合っていると思います。
 ――小柄(前走426キロ)なので52キロの軽ハンデも魅力。
 それは大いにあるでしょうね。小さい馬なのであまり重量を背負わされるのは良くない。今回の52キロは恵まれたかもしれません。
 ――中館騎手自身、今年も順調ですし、ここは力の入る一戦ですね。
 いえいえ、変に力が入ると早めに動いたりして持ち味を殺してしまいます。“前が速くなってくれればチャンスはある”くらいの気持ちで気楽に乗ろうと思っています。幸い、状態は良くなってきたと聞いているので、あとはこの馬向きの流れになってくれることを願っています。(ターフライター 平松さとし)

 ▼中舘 英二(なかだて・えいじ)1965年(昭40)7月22日、東京生まれの42歳。84年デビュー。絶妙な逃げとローカル巧者ぶりに定評がある。今年はすでに63勝を挙げ関東トップ、全国でも武豊に次ぐ2位をキープ。ヒシアマゾン、ツインターボ、アストンマーチャンなどとコンビを組んだ。通算1万3958戦1443勝(10日終了現在)。1メートル52、50キロ。血液型A。

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2008年7月11日のニュース