アソート“ここは皐月予行”/弥生賞

[ 2008年3月6日 06:00 ]

ポリトラックをマイネルレッチーノ(右)サンエンタティナー(中)と併せて追い切るフサイチアソート

 皐月賞トライアル「第45回弥生賞」の最終追い切りが5日、美浦、栗東の両トレセンで行われた。美浦では、デビューから2戦2勝のフサイチアソートが貫録の動き。2歳の早い時期に重賞を勝ったことで余裕を持ったローテーションを組めたのは強み。3連勝へ自信の出陣だ。

 心の余裕は馬にも伝わっている。フサイチアソートの最終追い切りは「静」に徹した走りだった。横山典を背に、ポリトラックコースでサンエンタティナー(4歳500万)とマイネルレッチーノ(3歳未勝利)に先導させる形でスタート。馬なりだが、流れるようなフォームで向正面を駆け抜けていく。直線で2頭の内に進路を取っても鞍上はアクションを起こさない。残り100メートルで前を行く2頭とは3馬身ほどの差があったが、手綱を通して軽くサインを送ると、素早く反応して併入に持ち込んだ。瞬時の加速は高性能エンジンの証。岩戸師も「きょうは気持ちを乗せるだけ。レース前にテンションを上げすぎる必要はないからね」と理想的な追い切りに満足顔だ。
 横山典は、これで4週連続の追い切り騎乗。「順調に来ているのが何より。休養前と変わらないのがいい」と手綱から伝わる好感触に表情も明るい。1月末に放牧先から帰厩した際は冬毛が目立っていたが、連日の丹念な乗り込みで輝く毛ヅヤを取り戻した。岩戸師も「体重は増えているかもしれないが、数字は気にしていない。見た目で好調と判断できれば問題ない」と仕上がりに不安はない。
 横山典、岩戸師ともに「今回はあくまでステップ」と口をそろえる。東京スポーツ杯2歳Sを優勝したことで賞金面から皐月賞出走は当確。何が何でも権利をという状況ではない。ただ、早くから目標をここ一本に絞り、他陣営より余裕を持って調整できたのも事実。横山典は「きっちり動ける態勢。あとは馬の気持ちに合わせてリズム良く走るだけ」と自信をのぞかせた。人馬ともにリラックスした雰囲気がかえって不気味。2戦2勝のアソートが無敗で皐月賞Vに王手をかけるか。

 ≪過去8頭…無敗の弥生賞馬≫無敗で弥生賞を制した馬は、地方から移籍した73年ハイセイコー(7戦7勝)を含め、キーストン(65年6勝)、ロングエース(72年5勝)、シンボリルドルフ(84年4勝)、ダイシンフブキ(86年5勝)、フジキセキ(95年4勝)、アグネスタキオン(01年3勝)、ディープインパクト(05年3勝)の8頭。ダイシンフブキ、故障で不出走のフジキセキ以外は、すべてクラシックに優勝した。

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2008年3月6日のニュース