【名人戦】糸谷哲郎八段 初手端歩は実らずも「毎局新構想と人間の粘りを」 藤井聡太名人に敗れる

[ 2026年4月9日 22:25 ]

名人戦第1局2日目、敗れた糸谷哲郎八段(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太名人(23)=王将など6冠=が糸谷哲郎八段(37)を挑戦者に迎える第84期名人戦7番勝負第1局は9日、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で2日目が指し継がれ、午後9時5分、後手・藤井が136手で勝利した。後手番からブレイクして4連覇へ好発進した。

 「端の位を取って指すというのは(これまでも)あるし、プラスでもある。第1局で指したかった」

 糸谷は振り駒で先手になり、初手でいきなり1筋の歩を突いた。そして3手目、さらに5段目へ進めた。20年度棋王戦以来のタイトル戦。1937年、「南禅寺の決戦」で木村義雄十四世名人相手に2手目、端歩を突いた阪田三吉を連想させた。糸谷は阪田流向かい飛車の使い手でもある。

 1日目昼食休憩明け、前線へ出た飛車を自陣へ呼び戻した。1時間の昼食休憩を挟む54分の長考で指した。飛車の横利きで、相手飛車角の自陣への直射を受けたがリスクを負った。

 「悪手だと思う。力将棋を指したかったが、悪かったかも知れない」。以降、相手へ傾き始めた形勢の打開を探ったが見出せなかった。終盤、藤井の高飛車を捕獲しようと打ち付けた銀が直後、藤井による「歩頭桂」で空振りにされた。「一瞬、難しくなったと思った。(敵陣は)飛車を取れば詰めろが掛かりやすい」。思惑は藤井の返し技で霧散した。

 竜王の獲得経験はあるが、2日制9時間の持ち時間で指すのは棋士人生初。「どこまでやれるか試してみたかった。1局目は燃焼できた」。後悔と収穫。そして「毎局新しい構想と、人間の粘りを見せていけたら」。1986年度の大山康晴十五世名人以来40年ぶりの連盟理事による名人挑戦。まだ戦いは、始まったばかりだ。

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