【王将戦】谷川十七世名人 第4局解説&第5局展望 永瀬九段、お株奪った角使い 藤井王将は底力問われる

[ 2026年3月8日 05:31 ]

<第75期王将戦・第5局>記念撮影に臨む藤井王将(右)と永瀬九段
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 【王将戦7番勝負を読む 谷川浩司十七世名人EYE】永瀬拓矢九段が藤井聡太王将を3勝1敗と引き離した。王将4期の谷川浩司十七世名人(63)が第4局を解説し、第5局を展望した。

 第4局は藤井の先手で角換わり腰掛け銀へ進んだ。勝率的に有利な先手で、角換わり腰掛け銀は藤井の得意戦法。それを受けて立った永瀬が、完勝した。

 加えて永瀬は右王、「1人千日手」の待機策も選ばなかった。「大げさかもしれませんが、後手番での角換わり腰掛け銀の可能性を示した一局でした」と谷川は称えた。

 居飛車なら通常、王は飛と反対の左側へ移動させて囲いに収めるが、右王は逆の右側へ進めてバランス重視の駒組みをする。堅さはなくても、王の広さで対抗する。また「1人千日手」は相手が陣形整備を進める間、陣形を崩さず仕掛けを与えないように同じ手順を繰り返す。いずれも積極的な選択ではない。本局の永瀬は後手から局面を良くしにいった。

 1日目、昼食休憩を挟んで54分考えた54手目[後]8四角(A図)。直前に藤井が[先]4七銀と引いたのに続き[先]5六歩、[先]5五歩まで進めば永瀬の5四銀は詰まされてしまう。[後]8四角は4八金が浮き駒のため[先]5六歩を阻止するのが最初の狙いだが、この角が活躍を見せる。図から[先]5八金に[後]5五桂[先]3八銀[後]7三角。さらに9筋の香交換の後の64手目[後]9五同角。7三、8四、9五の3カ所から藤井陣へ圧力を加えた。

 藤井は好きな駒に角を挙げる。角は同じ大駒の飛車と比べ、縦横に動けず使いづらい。だからこそ、使い手の創意と工夫で相手角との活躍度に差を生み出せる。そのお株を奪うような「角使い」。永瀬は[後]8四角を放つ前、52手目まで計15分しか使っていない。対して藤井は計2時間12分。「さすがの藤井王将も重圧だったと思います」。どこまで事前準備なのか?と。盤上、盤外両面からの永瀬の攻め。「3つの角のラインで、藤井王将は受け一方にされてしまった。先手でここまで一方的に攻められると作戦失敗と言わざるを得ません」と指摘した。

 永瀬が初の王将位へ王手をかけた。対して藤井は2月21日の棋王戦第2局で、5五の天王山に王が仁王立ちする圧巻の内容で勝利。王将戦第3局、棋王戦第1局、王将戦第4局と続いた自身初のタイトル戦3連敗を止めた。とはいえ、今月1日の棋王戦第3局に敗れ「ダブルカド番」。不調を心配する声も上がる。

 「王将戦第3、4局の内容は確かに良くなかった。でも(成績に)陰りが出たところで建て直すのが第一人者です。こういう立場を経験することが進化につながります」。第5局に6冠の底力が問われる。(構成・筒崎嘉一)

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