【王将戦第3局】永瀬九段“完全試合”で2勝目 昨年敗れた手にも動じず

[ 2026年2月5日 05:00 ]

第75期王将戦7番勝負第3局第2日 ( 2026年2月4日    東京都立川市 オーベルジュ ときと )

2勝目を挙げ、次戦へテイクオフする永瀬九段(撮影・西尾 大助、会津 智海、河野 光希、藤山 由理)
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 将棋の第75期王将戦(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)7番勝負第3局は4日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で第2日が指され、先手の挑戦者・永瀬拓矢九段(33)が4連覇中の藤井聡太王将(23)=名人含む6冠=を91手で下した。シリーズ成績は永瀬の2勝1敗。第4局は17、18日に和歌山市の和歌山城ホールで行われる。

 完勝だった。永瀬は第一人者相手に一歩も譲らず、盤上を終始支配した。検討陣からは「完全試合」の声も上がった。永瀬の表情も上気していた。

 「こちらが激しく注文をつけた将棋。途中まで予定どおりでしたが、局面はかなり難しい。読みを入れて一手一手指してました」

 途中まで予定通り。さりげなく触れたコメントに魂がこもっていた。藤井の2手目△3四歩は昨期の第5局で不意を突かれ、敗れ去った悪夢の再現だ。だが今局の永瀬に動揺はない。なんと封じ手直前の53手目「4四銀まで準備していました」と明かす。

 後手雁木(がんぎ)を得意戦法にしつつある藤井にあえて誘いをかける。右辺からの手厚い進撃に加えて65手目には▲9五角(第1図)、いわゆる「遠見の角」を放って敵陣を羽交い締めにした。「ちょっと迷ったんですが、はい、気をつけながら」。後手に押し込まれる局面は一度もなく、序盤でわずかに奪ったリードを着実に広げていく手堅い指し回し。1年前の苦い思い出を払拭する深い研究に裏打ちされた対抗策が見事にはまった。

 今回着用の和服は、立ち会いの島朗九段(62)がプレゼントした逸品だった。師弟関係にはないものの、16年に初めてタイトル戦出場を果たした永瀬に気を使って提供していたという。「ありがたいこと。こういう形で役立っているとは」と感慨深げの島九段。本局については「序盤の入りからうまく指され、最近の充実ぶりがよく表れた将棋。総合力の高さを感じました」と、中身の濃い一局を絶賛した。

 2日制タイトル戦で藤井を相手に3局終了後のリードを奪う初の棋士となった永瀬だが、もちろん慢心などない。「次は後手番。しっかり準備しなければ」と口元を引き締めた。第4局でブレークに成功すれば、初戴冠も視野に入ってくる。 (我満 晴朗)

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