NHK総局長 遺族抗議Nスぺ ドラマ部分映画化発表に「コメントする立場にもない」

[ 2026年1月21日 15:40 ]

東京・渋谷のNHK社屋
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 NHKの山名啓雄メディア総局長が21日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、昨年8月放送の戦後80年企画として放送され、描き方について遺族から抗議されたNHKスペシャル「シミュレーション 昭和16年夏の敗戦」について、ドラマパートをベースに追加シーンを加えた映画「開戦前夜」公開が発表された件について言及した。

 映画の公開は昨年12月25日に発表。同作の製作委員会は「2025年8月に放送されたNHKスペシャル『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』のドラマパート(前後編計98分)は、実在した『総力戦研究所』と日米開戦への流れを描いた猪瀬直樹氏のノンフィクション昭和16年夏の敗戦』を原案として創作されています。個々人の戦争への恐れや抗いを押し流して開戦へと向かった昭和16年夏の『世の中の空気』を、まさに今の時代に物語として描くことの重要性を感じ、制作いたしました。そして、この作品のテーマをより深くお伝えするべく、約139分の完全版を映画『開戦前夜』として2026年以降に劇場公開予定です」と説明している。

 NHK側は今回の製作委員会には加わっていない。このことについて、山名総局長は「そもそも放送法の定めにより、NHKは営利を目的とする事業を行うことが認められていないので、映画は営利を目的としているものですから、そういった製作に加わることはできない」と説明。「去年の8月16日、17日に放送しましたNHKスペシャルのドラマパートにつきましては、映画の製作委員会の4社と共同制作をしたが、放送が終わったということですので、共同制作はこれで終了しているというような状態」と明かした。

 その立場も踏まえ、「そもそも製作委員会に加わっておりませんし、映画について関わることもございませんし、それについて何かコメントする立場にもない」と話した。

 「シミュレーション 昭和16年夏の敗戦」は猪瀬直樹氏のノンフィクションが原案で、日米開戦直前に設立された「総力戦研究所」が舞台。研究所では「圧倒的な敗北」とシミュレーション結果を出したが、所長の陸軍中将が結論を覆すよう圧力をかける人物として描かれた。実際は、自由な議論を後押ししたとされる。所長の孫で、元外交官の男性は「歴史がゆがめられ、祖父の人格を毀損(きそん)するような描き方をされた」と抗議。遺族側がBPOに審議入りなどを求める要望書を提出していた。

 同番組は陸軍中将だった祖父が史実をわい曲して描かれ、名誉が毀損(きそん)されたとしてNHK側に損害賠償請求訴訟を起こすことを明かしていた。

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は昨年10月18日、この件について「視聴者において誤解が生じることはないと考え、討議入りしない」と結論づけたことを公式サイトで公表している。

 稲葉延雄会長はこの番組について昨年9月の定例会見で「さまざまな意見が出る演出はたとえドラマであってもNHKらしくなかったと、私は受け止めています」とコメントしていた。

 昨年11月の定例会見で、山名総局長は「(遺族の)飯村さんとは引き続き、丁寧な対応を続けさせていただいております」と説明。そのうえで「ご存じの通り、飯村さんが民事訴訟を検討されているということもありますので、この場で細かい話をというわけではないんですけど、先ほど申し上げた通り、引き続き、誠意を持って丁寧に対応はさせていただいております」と話していた。

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