NHKの“ドン”海老沢勝二さん死去 「エビジョンイル」と呼ばれた権力者の光と影

[ 2025年10月20日 12:49 ]

海老沢勝二さん
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 元NHK会長の海老沢勝二(えびさわ・かつじ)さんが19日、誤えん性肺炎のため死去した。

 海老沢氏は1957年にNHK入局。政治部記者として頭角を現し、政治部長、副会長などを経て97年に会長の座に就いた。その手腕は「辣腕」そのもの。デジタル時代を見据え、BSデジタル放送とハイビジョン普及に全力を注いだ。今や当たり前となった高画質なテレビ放送の礎を築いたとも言える。

 一方、光が強い分、影もまた濃かった。政治部出身の剛腕で権力を掌握し、組織を意のままに動かす姿を、週刊誌などは北朝鮮の金正日氏をもじって「エビジョンイル」と揶揄した。当時の局内では鶴の一声で番組の企画や継続が決まったと言われ、会長の出身地である茨城県を舞台にしたドラマが制作されると「また会長案件か」と局員がため息交じりに話していた。

 そして3期7年以上にわたってトップの座にあった2004年、紅白歌合戦のプロデューサーによる巨額の制作費着服をはじめ、職員の不祥事が次々と噴出。不祥事だけでなく海老沢氏の強権的な手法や対応にも国民の厳しい目が注がれた。自身が参考人として出席した衆院総務委員会についてNHKが中継しなかった一件は、組織の「隠蔽体質」の象徴と見なされ、視聴者の怒りに火を付けた。

 その怒りは受信料の支払い拒否という事態につながり、拒否数はあっという間に10万件を突破。海老沢氏は05年1月、任期途中で引責辞任に追い込まれた。その後も、退職金支払い問題で世間を騒がせたが、一方で横綱審議委員会の委員長を務めるなど、角界のご意見番として存在感を発揮した。テレビ史に巨大な足跡と深い爪痕を残した“ドン”が、その波乱の生涯を閉じた。

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