ユーミン 40作目アルバムは「AIとの共生」“第3の声”で「最高傑作の1枚」

[ 2025年10月18日 05:30 ]

40作目のアルバム「Wormhole」の先行試聴会に出席した松任谷由実と夫の正隆氏
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 シンガー・ソングライターの松任谷由実(71)が17日、都内で40作目のオリジナルアルバム「Wormhole」(11月18日発売)の先行試聴会に出席。夫で音楽プロデューサーの正隆氏(73)とともにトークショーを行った。

 今作は前例のない試みに挑んだ意欲作だ。荒井由実時代から現在までの数百におよぶ音声記録をAIに学習させ、ユーミンの声を再構築。そこに現在の歌声を合成し、“第3の声”を制作。その新たな声で曲を届ける異色の作品で「私のキャリアとテクノロジーが融合した最高傑作の1枚」と力を込めた。

 テーマは「AIとの共生」。ユーミンが詞と曲、正隆氏が編曲を手がけ12曲を録音。ユーミンは合成された声に合う声質を作るため、肉声の震えを消すボイストレーニングをするなどして収録に臨んだ。それらの素材を正隆氏が何度も調整し、曲それぞれに合う声を作り上げた。作品の名義は「Yumi AraI」とし、ユーミンは「AとIに挟まれていますからね」と狙いを説明した。

 荒井由実時代の素朴ながら芯の通った声や、90年代に代表される鼻にかかったような情熱的なビブラートが響く声など、曲ごとに声の印象は全く異なる。年齢とともに声質の変化に悩む歌手は多いが、ユーミンは「キーも自由になり、好きなように転調もできて、自由に曲を作る初期衝動が戻ってきた感覚」と制作過程を楽しんだ。

 音楽的な素養がなくてもAIを駆使して曲が作れる時代。「歌手、作曲家の存在意義がなくなってくるのでは」と危機感を抱く音楽関係者も少なくない。だがユーミンは、「人の心を動かすのは結局人しかないという確信を得た」と自信を深めた様子だ。

 「今回の取り組みでAIとの境界線が実感できた。自分を強く持つことがAIとの共生につながる」と令和の音楽制作の在り方に答えを見つけた。正隆氏も「今回のプロセスは他のアーティストもいずれやる。だって面白いですから。可能性はもっと広がりますよね」と音楽制作の幅が広がる未来を楽しみにしていた。

 《22年紅白から技術発展》ユーミンは2022年のNHK紅白歌合戦でもAIを活用した取り組みで注目を集めた。AIで50年前の声をよみがえらせた「AI荒井由実」とデュエットし、紅白史上初の“本人コラボ”が実現。「卒業写真」などを歌唱した。正隆氏は当時を振り返りながら「最初は“荒井由実の声じゃないじゃん”と思ったが、頑張って形にした。でもそれから3年がたって驚くくらい進歩して、今回の試みにつながった」と技術の発展に感謝した。

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