劇場へGO「坂本冬美特別公演」 よくある演歌歌手の…と思ったら大間違い

[ 2025年10月15日 15:11 ]

「坂本冬美特別公演」(10月31日まで、大阪新歌舞伎座)

中村梅雀(右)のベースに相島一之(左)のハーモニカで「大阪で生まれた女」を聞かせた坂本冬美(撮影・河上 良)
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 よくある演歌歌手のお芝居と歌謡ショーの2本立て…、と思ったら大間違い。

 何せ顔合わせが意外で豪華。特に二部の歌謡ショーは「プレミアムステージ」の副題がつくだけあって、ここでしか体験できない世界観だった。

 宝塚歌劇団の元雪組トップスターで、退団後もミュージカルやドラマで活躍中の一路真輝(60)と坂本冬美(58)がドレスで「ザ・ピーナッツ」の名曲の数々をデュエット。一路はソロでミュージカル「エリザベート」の「私だけに」のオリジナルバージョン(確か、退団公演のフィナーレのために作詞されたもの)を歌い客席を震わせた。

 最も驚いたのは坂本の「大阪で生まれた女」。中村梅雀(69)のベースに相島一之(63)の味あるハーモニカとの組み合わせは必見、必聴に値する。もちろん、坂本は着物姿での最新曲「浪花魂」を始め、ヒット曲「夜桜お七」なども存分に聞かせ既存のファンも満足のステージだろう。

 一部の芝居「弁天お春騒動記」も“実は…”“実は…”の繰り返しで飽きさせなかった。急速な近代化の波にのまれた明治時代を舞台に瓦版屋のお春(坂本)、潜入取材先で出会った華族夫婦(中村、一路)らが徳川幕府の隠し財産を巡って長屋で巻き起こす騒動を描く。

 坂本が演じるおっちょこちょいだが、人情深いお春にほっこりさせられ、華族夫人にふんした一路の凜(りん)とした佇まいに、こちらも背筋が伸び芝居に奥行きが出た。元宝塚星組トップ娘役の夢咲ねね(41)は盲目の少女役で美しい歌声を響かせる。坂本の交遊の広さが実現させたのだろうが、「演歌歌手の座長公演」の可能性を大きく広げた1本だと思う。【土谷美樹】

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