各界のスペシャリストが登壇 滝川クリステル語る「睡眠は未来の自分を作るための必要な投資」

[ 2025年6月26日 00:05 ]

「Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO」で登壇したゲストら
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 世界中のスポーツドクターや専門家を結ぶネットワーク組織「Sports Doctors Network(SDN)」が24日、東京大学・安田講堂(東京都文京区)で「Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO-最先端スポーツ医療を、すべての人へ―」を開催した。

 室伏広治氏(元ハンマー投げ金メダリスト)、山崎直子氏(宇宙飛行士)、成田悠輔氏(経済学者)、伊達公子氏(元プロテニス選手)、鈴木啓太氏(元サッカー日本代表)、滝川クリステル氏(フリーアナウンサー)をはじめ、各界を代表する専門家が出席。医療・スポーツ・食・宇宙・AI・歯学・予防医学といった多角的なテーマについて、講演やディスカッションを行った。

 冒頭、開会の辞として、東京大学の藤井輝夫総長は「東京大学は、多様性と対話を重視した理念のもと、教育・研究・社会連携の観点からスポーツに積極的に取り組んでおり、今回アジア初開催となるSDNカンファレンスが本学で行われることを大変光栄に思う。スポーツを通じた医療や健康、科学、教育などの横断的な議論が、本学の理念と深く共鳴するものと確信している」と語った。また、基調講演で登壇した室伏氏は「食事や睡眠、コーチング方法といったトップアスリートから得ることができる知見を、国民の健康・ライフパフォーマンスに寄与していくことが重要であると考えている。また、今後もスポーツ、医学、サイエンスによって開拓されていくものがまだまだあるのではないか」と、今後のスポーツ界がさらに発展していくことへの期待を話した。

 前半の部では「Sports Doctors Network 、ノーベル賞、癌(がん)と食」というテーマで、カール・ヘンリク・ヘルディン教授、成田悠輔氏、山田早輝子氏の3人が講演を行い、山田氏は「今までの選手を守るプラットフォームという形から、これからはクラブチーム間の連携に加えて医師・研究者・アスリート・社会のリーダーが一丸となり、医療の形を治療から予防へ移していけるような一般医療の向上を目指している」とSDNの今後の展望を伝えた。

 カール・ヘンリク教授は「ほかにも学術的に権威ある賞や賞金の高い賞は数多く存在するが、ノーベル賞は国籍や出身に関係なく、すべての人に門戸が開かれており、その公平性と信頼性から世界的に権威がある。この賞の価値を守っていかなければいけない」とノーベル賞の重要性について語った。2人の話を受けて成田氏は「AIや機械学習は科学や医療をより発展させるポジティブな可能性を持つ一方で、AIや機械学習が発展することで科学が脅かされる可能性も秘めている」と語り、経済学者の視点から、今後の日本の医療・科学とAIや機械学習の関係性についてコメントした。

 「エリートメディシンの一般活用と宇宙医療の未来」の講演では、ニコ・ミヒッチ医学博士、梅澤高明氏、山崎直子氏の3人が講演を行いました。ニコ・ミヒッチ氏は「自分が食べたものが、体にどのような影響を及ぼしているかを理解することは重要だと考える。スポーツ医療で行われている、最新のノウハウを駆使することで、その幅は大きく広がる」とエリートメディシン一般化の重要性に言及。また、梅澤氏は「宇宙医療とスポーツ医療では共通点が多く、このような最先端で行われている研究は、一般の人たちにも生かすことのできる学びになっているのではないか」と最先端医療と一般医療への活用の可能性を語りました。さらに山崎氏は「宇宙では、無重力を生かした医療実験を行っており、スポーツや宇宙といった環境を変えることで起きる反応から、根源的に自分たちの体を知ることができる」と述べ、宇宙医療と地上医療の相互作用について語った。また、“我慢しないプラントベース”オーガニックサブレ「サブレ ドゥ TOKYO」を共同開発した庄司夏子氏も登壇し、「あえてビーガン・グルテンフリーと記載しない、自然に溶け込めるようなサブレを作った。こういった自然に溶け込んだビーガン、グルテンフリー食品が海外では当たり前になってきている一方で、日本では浸透していないためこのような貴重な機会をいただけて嬉しい。」と商品開発の思いをはなした。

 後半の講演では「キャリアを長く保つために、選手とチームドクターが果たすべき役割とは」というテーマで、クリストファー・ジョーンズ医学博士、伊達公子氏、村上由美子氏の3人が講演を行い、ジョーンズ氏は「選手は上手くなることだけでなく、回復と休養にもフォーカスをするべきだと考える。」と選手生命を長く保つ上で、休みの重要性を語り、伊達氏は「睡眠栄養技術のバランスを疲労の蓄積によってコントロールし、体が壊れないように維持し続けることが大事」と現役時代の経験を踏まえて語った。また、本公演では五輪金メダリストの野村忠宏氏がサプライズ登場。「4連覇を目指す北京オリンピックの前年には、靭(じん)帯が切れたまま戦っていた。キャリアの最後というもあり当時はその選択をしたが、ドクターや理学療法士など専門の方のサポートなしでは、到底実現できなかった」と現役時代の怪我にまつわるエピソードとドクターとの裏話を交えながら明かした。3人の話を受けて村上氏は「若い頃は怪我のケアは遠回りに感じるが、ケアは強くなるためのプロセス」と、選手の怪我とキャリアの付き合い方や、ドクターとの関係性に期待を寄せているようだった。

 「睡眠とパフォーマンス」の講演では、アレン・ユキノビッチ博士と滝川クリステルの2人が講演。ユキノビッチ博士は「人生の3分の1の時間が睡眠で、寝不足や睡眠負債が蓄積されるとシュートの精度やスプリントの精度、判断力も落ちるため、プレーに悪影響が出る。アスリートの遠征時には、睡眠スケジュールを現地の時間に合わせることがパフォーマンスを高める要因にもなる」と睡眠がパフォーマンスに与える影響について言及し、それに対して滝川氏は「睡眠は未来の自分を作るための必要な投資。睡眠教育など学生にも睡眠の重要性を教えていく必要がある」と語りました。

 「歯学とパフォーマンス」の講演では、玉井雄介氏、稲田弘氏、森村國仁氏の3人が講演した。玉井氏は「歯が痛くなったから歯科医院に行くという認識を変えていきたい。SCOグループとして取り組んでいる、プロサッカーチームとのオーラルケアプロジェクトを通して、より日常的に口腔内をメンテナンスすることの重要性を感じてもらいたい」と取り組んでいるプロジェクトについて述べ、森村氏も「スタジアムの中に病院ができるなど地域医療をクラブが支えているケースもある。これから先、さらにオーラルケアクリニックの需要も高まるのではないか」と歯学とスポーツの可能性を語った。また、同公演に参加した稲田氏は「年をとるにつれて、体力が急速に落ちるため、練習は基本的には休む日はない。100歳まではやりたいと思っている。これからもどんどん挑戦を楽しんでいきたい!」と今後の活動への抱負を語った。

 最後に「食とパフォーマンス」の講演では、合原一幸氏、鈴木啓太氏、高島宏平氏が講演を行いました。合原氏は「発病前の未病医学と健康医学、予防医学をシームレスに繋ぐことで健康寿命を動かすことができる」と未病の医科学の観点から健康について語り、鈴木氏は「パフォーマンスを発揮するためにはコンディショニングの重要性からアスリートから一般の腸内環境を研究している。特に、マスターズ陸上選手の腸内細菌はビフィズス菌が多く、芋類や豆類など副菜を多く摂取していた。こういったアスリート、健康寿命の長い方のデータを活用して一般化に役立てていきたい」など、腸内環境とパフォーマンスの関係性について述べ、高島氏は「日本の食事は世界一だと思っている。日本の食事の当たり前が世界のアスリートの食事の当たり前になる未来が来ることを期待している」と腸内環境と健康寿命の関連性について熱く語った。

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