「あんぱん」ロゴは白黒…OP映像&主題歌なし“異例”演出「神回」ネット絶賛「生中継のように」CP狙い
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女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は19日、第59回が放送され、空腹のため中国の戦地で死線を彷徨う柳井嵩と今は亡き父・柳井清の対話が描かれた。ストーリー設定上、嵩役の俳優・北村匠海(27)と清役の俳優・二宮和也(42)の揃い踏みないと思われたが、ともに朝ドラ初出演にして、ついにドラマ初共演がサプライズ実現。また、嵩の幼なじみ・田川岩男(濱尾ノリタカ)の最期も描かれるヤマ場回。オープニングタイトルバック映像(OP映像)とロックバンド「RADWIMPS」による主題歌「賜物」がない“異例”演出が採用された。制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーに狙いを聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。
第59回は、銃撃された田川岩男(濱尾ノリタカ)は柳井嵩(北村匠海)に「リン(渋谷そらじ)はよくやった」と告げる。八木信之介(妻夫木聡)は、リンは親の仇を討ったのだと語り、嵩に岩男の仇を取りたいかと尋ねる。そして、やり場のない怒りを爆発。初めて見る戦友の姿に、嵩は立ちすくむだけだった。やがて食料難は限界に達し、嵩はとうとう地面に倒れ込む。意識が遠のく嵩の前に“ある人物”が現れ…という展開。
OP映像がなく、主題歌をラストに持ってくる、いわゆる“朝ドラ最終回演出”は中盤のクライマックス回などで度々用いられるが、「OP映像&主題歌なし」となると、頻度は低い。近年だと、同じく戦争描写が話題となった2020年度前期「エール」の例がある。
倉崎氏は「この回は内容としてもボリュームたっぷり、かつ重厚な回で、実際撮影をしてみると、やはり現場で生まれる化学反応があり、“間”も含めてなるべく現場で起きているリアルなこと、言葉をカットせずにありのまま放送に出したかったのです。まるで生中継のように、我々の目の前でそれが起きているかのように」と意図を説明。
「タイトルバックの74秒を、この回はどうしても台本を超えて現場で生まれたものに使いたく、(第12週を担当したチーフ演出の)柳川(強)監督も賛同してくれて、『あんぱん』では初めてタイトルバック・主題歌を入れない決断をしました」と明かした。
化学反応の一つが、八木と嵩のやり取り。
八木「柳井、前に、戦場で生き残るには、卑怯者になることだと言ったのを覚えてるか。卑怯者は、忘れることができる。だが、卑怯者でない奴は、決して忘れられない!おまえは、どっちだ?どっちなんだ!(胸ぐらをつかみ)どっちなんだ?どっちなんだ…」
あの八木が泣いている。八木が立ち去ると、嵩は一人、涙しながら「分かりません…」とつぶやいた。
台本上、嵩の最後の台詞は「…」と無言だったが、本番で思わず北村の口を突いたという。
倉崎氏は「妻夫木さんの芝居の凄みに呼応するかのように、北村さんから自然に出たのだと。鳥肌が立ちました。『分からない』という言葉こそが第13週以降の戦後、嵩が自分自身に問い掛け続けるテーマになってきます。それがのちに『逆転しない正義とは何か』にもつながっていくわけですが、この時点ではまだ分からなかったのだと思います。それが何なのか、嵩が人生を懸けて、それこそ『アンパンマン』にたどり着くまで、ずっと探し続けるのだろうと。嵩の『分かりません』は八木役が妻夫木さんだったからこそ、そして戦争パートをしっかりと描いたからこそ出た一言だと思います」。またも「神回」が生まれた。
オープニングのタイトルロゴは白黒。キャスト・スタッフクレジットはラストに表示された。
SNS上には「オープニングも使われない規格外の凄い回」「もはや15分の映画」「区切りの神回。だから、OPなしだったのね」「見入っていて、気づかなかった」「岩男のターン、八木さんのターン、ニノ父さんのターン、これだけ15分にギュッと詰め込んで急ぎ足感もなく濃厚で、伝えたいことがちゃんと伝わってきた神回だと思いました。作り手の熱量が凄い。オープニングなしも効いていた。役者さんの演技も素晴らしかった」などと称賛の声が続出。反響を呼んだ。
【オープニングタイトルバック映像がなかった主な近年の朝ドラ回】
◇19年度前期「なつぞら」(第114回=ヒロインの結婚式)主題歌&キャスト・スタッフクレジットはラスト
◇20年度前期「エール」(第88回~第92回=インパール作戦など戦争を真正面から描写)主題歌なし&キャスト・スタッフクレジットはオープニング
◇21年度「おかえりモネ」(第45回=「登米・気仙沼編」完結)主題歌はラスト&キャスト・スタッフクレジットはラスト手前
◇22年度「ちむどんどん」(第5回=ヒロインの父が倒れる)主題歌&キャスト・スタッフクレジットはラスト
◇23年度前期「らんまん」(第65回=ヒロインの祖母が天に召される)主題歌はラスト手前&キャスト・スタッフクレジットはラスト
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