小栗旬 単独インタビュー「もう一人自分がいれば」13日公開「フロントライン」で未知のウイルスと闘う

[ 2025年6月11日 05:00 ]

最新出演作「フロントライン」について語った小栗旬
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 俳優の小栗旬(42)が主演映画「フロントライン」(監督関根光才)の公開を13日に控え、スポニチ本紙のインタビューに応じた。日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、未知のウイルスに立ち向かう災害派遣医療チームの指揮官を熱演。話題作への出演が続き、所属事務所社長としても奮闘する日々に「もう一人自分がいたら」と漏らした。

 撮影を振り返ると、小栗は大きな背中を丸め、疲れ切った表情を浮かべた。「僕自身も追い詰められた。5、6日目は本当に疲弊していた」。1週間をかけた対策本部でのシーンの撮影は、重苦しい空気に包まれたという。

 今作では、日に日に悪化する状況を追いかけた。解決策が見いだせない中、増える感染者。人命を最優先に考える指揮官と、前例がないと判断が遅れていく厚生労働省の役人(松坂桃李)は何度も衝突する。指揮官が対策本部で役人に「ルールを破れないなら変えることはできないのか?」と詰め寄る場面は印象的だ。松坂とは初共演だったが「いろんなものを経験してきている方なので一緒に現場にいる時に信頼感があった」と反発し合う演技に没入することができた。

 小栗が演じた災害派遣医療チーム「DMAT」を束ねる指揮官は、「ダイヤモンド…」の集団感染時に神奈川県DMATで調整官を務めた医師の阿南英明氏がモデルだ。「僕たちがドラマチックにする必要はないというムードが現場に漂っていた。ただその人物として生きること、心の中に生まれた感情をそのまま出したことで情熱的な作品になった」と充実感をにじませた。

 増本淳プロデューサー(49)から「親になって背負うものができた(小栗)旬に演じてもらいたい」とオファーを受け「やるべき作品」と飛び込んだ。2人の思いが結実した力作となった。

 小栗は今後、「ガス人間」「匿名の恋人たち」と2作のNetflixドラマの配信を控えるほか、来年にはNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に織田信長役で出演することも決定。一方で、23年6月に就任した所属事務所「トライストーン・エンタテイメント」の社長として奔走している。

 「大河の前にもう一本映画もあって、実はこんなに忙しくなる予定はなかった。久しぶりに“もう一人自分がいれば”という境地」と苦笑いする。若手俳優らから憧れられる存在となったが「小栗旬をもう一度生きたいか」という問いには「生きたくないです」と即答。「でも同じ体躯(たいく)で男に生まれたなら、スポーツに打ち込む人生を送ってみたい」と笑った。

 映像作品の大作出演が相次ぐが「僕のルーツは演劇」と言い切る。故蜷川幸雄さん演出の「カリギュラ」などで得た経験は、今につながる宝物だ。「舞台が好きだし、心のバランスを保つためにも舞台をやりたい。来年か、再来年には」と目を輝かせた。(西村 綾乃)

 ◇小栗 旬(おぐり・しゅん)1982年(昭57)12月26日生まれ、東京都出身の42歳。94年から子役として活動。98年にフジテレビ系ドラマ「GTO」で連ドラ初出演。05年放送のTBSドラマ「花より男子」の花沢類役でブレーク。映画「銀魂」シリーズなど多数の代表作を持つ。私生活では12年に女優の山田優と結婚。1メートル84、血液型O。

 ◇ダイヤモンド・プリンセス号の集団感染 2020年1月20日に神奈川・横浜港を出港し、香港、ベトナム、台湾の3地域を巡り横浜に戻る中、2月1日に香港で下船した乗客が新型コロナウイルスに罹患(りかん)していたことが判明。3日に横浜港の沖合に停泊した後、乗客らは船内隔離を余儀なくされ、同19日に下船が始まるまでの間に、乗客3711人のうち712人が次々に感染。13人が死亡した。

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