岩井俊二監督 まるでLove Letter「24歳の美しい美穂さんを残すことができて良かった」

[ 2025年4月5日 05:00 ]

映画「Love Letter」の1シーン(C)フジテレビジョン
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 昨年12月6日に54歳で亡くなった女優で歌手の中山美穂さんの主演映画で公開30周年を迎えた「Love Letter」4Kリマスター版の上映が4日、全国で始まった。同作で長編デビューした岩井俊二監督(62)がスポニチ本紙の取材に応じ「24歳の美しい美穂さんを残すことができて良かった」と在りし日をしのんだ。(西村 綾乃)

 14歳でトップアイドルとなった中山さんとの初対面。岩井氏は「出演していたドラマなどでコミカルな印象だったので、この作品に合うのかなって心配したんですけど、実際に会ったらとても繊細な人だった」と回想する。安堵(あんど)したのもつかの間、「(中山さんに)私、映画って好きじゃないんですと言われて、困ってしまった。だから、一緒に好きになっていきましょうと声をかけました」と明かした。

 映画は婚約者を亡くした女性(中山さん)が天国にいる男性に宛てて出したラブレターを、男性と同姓同名の女性(中山さん)が受け取り、返事が届いたことから、2つの恋が動き出す。中山さんは1人2役を務めた。

 真っ白な雪の中、中山さんの横顔で始まる冒頭と、「お元気ですか」と叫ぶ終盤は名場面。撮影地の北海道・小樽は聖地とされ、今も多くのファンが訪れる。

 「撮影中はインフルエンザが続出して、大変だったんですけど、奇跡的な雪が降ったり、何かが宿っていたんでしょうね。手紙の最初の言葉をシンプルにしたのは、色がつかないようにするため。改めて24歳の美しい美穂さんの姿を残すことができて良かった」

 初号試写を見終えた中山さんが泣き崩れた姿は「忘れられない」。大阪にキャンペーンに行った際「私、これからは映画しかやりたくありません」との手紙を受け取った。アイドルから女優へ。転機となった作品だ。

 今年は中山さんがデビュー40周年、そして映画は公開30年の節目。雪がある間に、小樽を再訪しようと約束した矢先の訃報だった。仕事の電話中、ネットニュースで知り仰天した。「すぐに美穂さんの事務所の社長に連絡し、数日後に彼女のところに行きお別れをしました」。

 22日には東京国際フォーラムで中山さんのお別れ会が開かれる。

 「これまでたくさんの大切な人を亡くして、いずれ自分もという思いもある。乗り越える手立てはなくて、長く生きているので、時間が癒やしてくれるという体験があるだけ」と空白を埋めることは簡単ではなさそうだ。劇中の中山さんのようにいま手紙を書くとしたら「お元気ですかと、書くと思います」と語った。

◇Love Letter 雪山の遭難事故で2年前に婚約者を亡くした渡辺博子(中山さん)が、男性を思って出した手紙が、元婚約者の中学時代の同級生で、同姓同名の藤井樹(中山さん)に届いたところから始まる物語。作品は「第19回日本アカデミー賞」で優秀作品賞、カナダのモントリオール世界映画祭では観客賞を受賞。中山さんは「第38回ブルーリボン賞」など主演女優賞を総なめにした。99年に韓国と台湾でも公開され「お元気ですか?」のセリフが流行語になった韓国では、今年1月からリバイバル上映されている。

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