【王将戦】紛れ求めた相手を敢然と取り込む△3六歩

[ 2025年3月10日 05:00 ]

ALSOK杯第74期王将戦7番勝負第5局2日目 ( 2025年3月9日    埼玉県深谷市・旧渋沢邸「中の家」 )

A図
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 【関口武史 明暗この一手】藤井の封じ手は△6三金、一見不自然に見える金上がりだが最短手数で6筋を安定させ△5二王の空間をつくったのが非凡な構想だった。さらに△3四銀~△2一飛と2、3筋方面に厚みを築く。

 対する永瀬は▲6七銀~▲5六歩と自陣を整えつつ反撃の好機をうかがう。さらに▲3六歩と合わせたのが辛抱強い一手で△同歩▲同飛△3五歩▲3九飛と進むと△2四歩からの進軍を緩和している。この変化は王形の堅い永瀬にチャンスのある展開だった。

 ここで藤井が△2五銀と上がり▲2八飛を強要したのが好判断。飛車先を重くする△2五銀も指しにくい手だが先手の飛車を八段目にとどめることを優先した大局観が光る。続けて△3四銀と形を整え△2五歩~△2六歩と進軍し、永瀬の飛車を制圧してリードを確かなものとした。

 クライマックスは▲1四歩と紛れを求めた手に対し敢然と△3六歩(A図)と取り込んだ一手。▲1三歩成には△3五銀と3筋の制空権を確保し後手勝勢となる。丁寧に指し手を進めていた藤井が一気にギアを上げ、決着を目指した決め手だった。本譜も狙いの△3五銀を実現させ、完勝の内容で防衛を果たした。(スポニチ本紙観戦記者)

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