来年古希の高橋惠子「82か83歳までは女優業、そのあと転職して違うことを」 今後の人生プラン明かす

[ 2024年8月10日 22:00 ]

主演映画「花物語」のトークショーで戦争について語る高橋惠子
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 昭和文化アーカイブス代表の御手洗志帆さん(36)が2012年に立ち上げ、ことし13年目を迎えた「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」が8月10日、東京・シネマヴェーラ渋谷で開幕し、女優の高橋惠子(69)がトークショーを行った。

 1989年に公開された主演作「花物語」(監督堀川弘通)の上映後に登壇し、「私にとって宝ですね。女優をやっていて良かったと思わせてくれた作品です」としみじみ。物語の舞台は太平洋戦争末期の千葉県南房総。食糧難の打破を理由に野菜や穀物への転作を命じられながら、花畑を守り通した実在の女性を描いた一編だ。DVDなどソフト化されておらず、今回は日本映画研究家の下村健さんが掘り起こして上映にこぎつけた。

 客席で観賞した高橋は「35年ぶりに見る機会をいただきましてありがとう」と下村さんに感謝しながら、「ハンカチを控え室に置いてきてしまい(失敗しました)…。涙と鼻水が出てきました」と苦笑。その上で「奈良に住んでいた夫(高橋伴明監督)の母がお花の先生でしたが、映画を見て“本当に良かった”と言ってくれたんですよ」と振り返った。

 続けて「花を作る1人の人間と、その周りの人の目を通して戦争を描いた作品。理不尽さが伝わってきます。私は戦争を経験していませんが、いろいろ考える機会をいただきました。それは大切なことだなと思います」と出演の意義を強調した。

 前日8月9日は長崎原爆の日。「世界では今も戦争が続いています。広島、長崎と唯一の被爆国であることを、もっと海外の方々にも知っていただきたい。戦争のない世の中にするために、身近なところから行動していきたいと思う」と言葉にメッセージを込めた。

 共演した蟹江敬三さんや殿山泰司さん、佐々木すみ江さん、杉山とく子さんらとの思い出も口にした高橋には「長男・枝原勇一」を演じた八神徳幸(56)から花が贈られ、ステージ上に飾られた。客席には、その八神の姿があり、“母”の高橋に促されて登壇して35年ぶりの再会を果たした。

 撮影が終わった後、「これからも全力を尽くして飛躍してください 1989年4月9日」と書かれた色紙を高橋からもらったと振り返る八神はその言葉を糧に俳優業を継続。「通販番組などに出演しています」と話すと、高橋から「通販番組でまた共演しましょう!」ともちかけられて恐縮していた。

 来年古希を迎える高橋は「82か83歳までは女優業をやって、そのあと転職して違うことをしようと思っています」と今後の人生プランを披露した上で、「それまでは頑張りますよ」とニッコリ。夫の伴明監督が撮影中の新作「桐島です」に出演していることも明かした。75年の連続企業爆破事件の被疑者として指名手配され、逃亡から49年後の24年1月に入院中の病院で自身の名前を名乗り、その4日後に死亡した桐島聡の波乱の半生を描く伴明監督の意欲作だ。

 トークショーに駆けつけたのは男性客が多数。大映時代からの熱心なファンが詰めかけた。「来年でデビューして55年。こうしてずっと仕事をさせてもらっているのは、長い間応援してくださっているファンの皆さんのおかげです」と改めて感謝の言葉を述べた。映画祭は16日まで。

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