松本幸四郎の古典愛「今の時代に合わせて堂々とお見せする」後世につないでいく―歌舞伎職人の宿命背負って
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【カレイドスコープ】初舞台から今年で45年の節目を迎えた歌舞伎俳優の松本幸四郎(51)。名門・高麗屋に生まれ、幼少期からそのプレッシャーと闘い続けてきた。それでも変わらないのは歌舞伎への愛だ。“若者の歌舞伎離れ”が指摘される昨今。「何でも簡単に手に入る時代ですが、歌舞伎を見るのは一筋縄ではいかない。だから面白いんじゃない?」。その言葉には、歌舞伎を後世につないでいくための使命感にあふれていた。(吉澤 塁)
「自分は今、歌舞伎職人として日々戦っている真っ最中なんです」。いたずらっぽい笑みを浮かべつつも、その眼光は鋭く光る。
「何と戦っているのか?」。記者の質問に悩みながらゆっくりと言葉を紡いだ。「自分自身かもしれません。自分の思い描くものをどう作るのか。それをどれだけ多くに見ていただけるか。そういう戦いですね」
歌舞伎界で幸四郎の存在感は際立っている。「勧進帳」の弁慶といった大役はもちろん、脚本家の三谷幸喜氏(62)が手がけた「月光露針路日本」など新作にも積極的に挑戦。中でもとりわけ心血を注ぐのが、古典歌舞伎を現代に届けることだ。人気漫画などを題材とした新作は若者や新規の客を呼びやすいが、古典演目は事前の知識が求められ、初心者には手を出しにくい。だが幸四郎は「歌舞伎を見たことのない人でもイメージできる“ザ・歌舞伎”を今の時代に合わせて堂々とお見せする。それがこれからの一つのあり方」と力を込める。
そう思うきっかけの一つに「コロナは大きかった」と振り返る。コロナ下ではあらゆる劇場公演がストップした。そこで幸四郎が企画したのが、歌舞伎400年の歴史で初の生配信となった「図夢(ズーム)歌舞伎」だった。主演・構成・演出を担い、歌舞伎三大名作の一つ「仮名手本忠臣蔵」を「Zoom」を使って再現した。
別の場所で演じる役者の芝居をリモートでつなぎ合わせ画面上で“共演”させたり、通常の劇場では味わえない体験で古典の名作がよみがえった。「古典に手を加えて、今の方にも楽しんでもらう。一つの形としてアリだと思った。大きな反響を頂いた実感がある」と胸を張った。
7月1日に大きな挑戦の舞台が幕を開ける。「七月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座、24日まで)の夜の部「裏表太閤記」で、市川猿翁さんが手がけた作品を43年ぶりに復活させる。
歌舞伎の題材になることの多い「太閤記」の物語を、早替わりや宙乗りなどケレン味あふれる演出で再構築した作品。「猿翁さんも当時、その時代に歌舞伎がどう生き残っていくかを思って作られたと思う。僕にとってもとてつもない挑戦」と気合をみなぎらせる。
初演時より上演時間を短縮し演出も変更。「今のお客さまにも届くよう、ドラマを一部変更して、義太夫の詞章も分かりやすい言葉にしています。役名も豊臣秀吉、明智光秀といった現代の人にも分かる名前に変えました」と工夫を明かした。
芸を継承することは歌舞伎俳優の生まれながらの宿命だ。1979年に松本金太郎として初舞台を踏み、市川染五郎を経て18年に高麗屋の名跡「松本幸四郎」を襲名。名前が出世するたびに責任も重くなる。当然、先代と比べられることもあるが「お客さまには比べることを楽しんでほしい」とどこ吹く風だ。
「名前は変わっても、自分は変わってはいけない。変わらず自分が好きなことをどこまでやっていくのか。それができた時、ぼくは引退して陶芸とかしているでしょうね」。ひょうひょうと語りながら去っていくその背中は、自信に満ちあふれていたようだった。
≪「鬼平犯科帳」5代目継承 時代劇にも使命感≫幸四郎は祖父の初代松本白鸚さん、叔父の中村吉右衛門さんから人気時代劇「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵役を5代目として引き継いだばかり。「まねするでもなく、あえて見ないふりをするのでもなく、そこから生まれる演技こそが新しい鬼平になると信じています」と力を込める。昨今は時代劇が地上波で放送される機会も減ったが、「時代劇は、人と人が出会って初めて物語が動き勧善懲悪の世界がある。そんな普遍性のある物語を多く放送してもらえるよう、自分も頑張りたい」と使命感をのぞかせた。
◇松本 幸四郎(まつもと・こうしろう)本名藤間照薫(ふじま・てるまさ)1973年(昭48)1月8日生まれ、東京都出身の51歳。78年にNHK大河ドラマ「黄金の日日」に子役で出演。79年に「侠客春雨傘」で松本金太郎として初舞台。81年に市川染五郎を襲名。2018年に松本幸四郎を襲名。03年に結婚し、05年に長男が誕生。屋号は高麗屋。
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